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2013中学受験【82】 新しい評価研究会が新次元を開く

☆20名弱のメンバーが集結して「新しい評価研究会」を行っている。この重要性について、いまだ日本の教育の世界では認識されていないと思っていた。いやたしかに認識されていないのである。

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☆だから、「2013中学受験【80】 明治大グループ MARCHから早慶明へ」で、次のように記述した。

どうやら、明治大学及びその付属である明大明治は、MARCHクラスから早慶明クラスにシフトするという動きが明快に実行されているようだ。もちろん、このカリキュラムやプログラムを本物にするには、ある条件が必要である。この条件は、日本の大学や中等教育では、未だ整っていないし、その必要性に気づいていない。しかし、明大明治のある教師は独り着々とそれを実行してきた。それが学内に広まれば、早慶明クラスも飛び越えることができる。

☆この「ある条件」というのが、実は新し評価のことなのだ。もともとこの研究会は、せかっく新しい学びのプログラムを制作しているのに、その評価をきちんとアピールできないために、共鳴できる先生方の中でしか広がらない。21世紀型教育のプログラムとして、PBLでもあり、反転授業でもあるこのプログラムは、これからの学校や生徒にとって共通資産になるはずなのにィー。。。それではプログラムと同時に評価も作ってしまおうということだった。

☆しかし、実際にはなかなかその認識は広まらなかった。明大明治で孤軍奮闘よろしく頑張っている先生の新しい評価の試みもなかなか学内で浸透していないぐらいである。そう思って、少し気弱になっていたときに、日経でこんな記事を読んだ。そのタイトルは「機敏に自己革新を 外国人教員を教授会メンバーに 大学開国インタビュー(1) B・ストロナク 米テンプル大日本校学長 日経新聞2013年1月18日」。

――大学の国際化に必要な条件は。

 「東大の秋入学構想は間違いなくよい。だが、それだけでは不十分。もっと、ほかの改革が必要だ。例えば高校・大学の接続。日本の中学・高校の教育は受験準備教育でしかない。日本でも大学では1年生からある程度、教養教育が行われているが、高校までは受験準備教育でギャップがある。外国人教員や留学生は数が多いだけでは意味がない。人種的な多様性があり、かつ日本人学生と融合させることが不可欠。教員も同じで、外国人教員が教授会メンバーになる必要がある」

 「教員評価も日本は全然だめだ。(実績の審査を経て終身在職権を与える)テニュア制も言葉はあるが、本来の姿にはほど遠い。米国のテニュア制は約6年間、任期付き教員を務め、実績の評価によって終身の身分保障を与えるかどうか決める。Up or Outと言って、終身位を得られる教員は半分ぐらいだ」

☆大学教育における多様性の問題と評価の問題がきちんと指摘されているではないか。オールイングリッシュの講義を本格的に模索しはじめた大学にエールを贈ると同時に、不足している問題点を指摘しているのだ。耳を傾ける大学人も多いのではないかと期待したい。

☆そして、大学の問題は、高校の問題でもあると、今の高大連携が、結局受験準備教育でしかないのはなぜか?評価が偏差値だから、いくら高大連携を考えても、何も変わらない。多様性を排除する評価なのだから。

☆今中学受験とセンター試験が行われている。彼ら受験生の未来のためにも「新しい評価研究会」の先生方の活動に大いに期待したい。

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