« 2013中学受験【97】 首都圏応募者動向 1月24日 | トップページ | 2013中学受験【99】 よるべんに 灘校生のTehuくん登場 »

2013中学受験【98】 新星の誕生 かえつ有明

☆中学受験者数が低迷というより、2007年の時代から見ると、実は激減している。これはもはや少子化や景気だけでの問題ではなく、いよいよ大転換が顕在化したと認めたほうがよい。受験業界は相変わらず2%減と発信するのかもしれないが、これだけ政治経済の情報がオープンになってきているのに1986年以降に立ち上がったシンクタンクのコンセプトを変えないできている情報分析は、やはり信頼性、妥当性が問われる時代になったのではないか。

130124_2

☆しかし、大転換の瞬間というのは、従来の価値観を信奉している人々にとっては不安と恐怖から逃れたくなる防衛機制を働かせる要因ではあるが、新しい価値観を未来に投資しようとしている人々にとっては、希望であり活動のモチベーションとなる。

☆中学受験業界では、21世紀型教育を創る会のけん引校であるかえつ有明が、大転換のけん引校になった。新星の誕生である。

☆1月24日現在で、100人以上受験生を集め、かつ前年に比べ増加している試験回数に絞ってリスト化すると、共学校の場合、ものの見事にかえつ有明のすべての試験が、リストに並ぶのである。

☆しかもべスト10にすべてが収まるのである。これに加えて帰国生募集も、渋谷教育学園グループや攻玉社、海城などと肩を並べるところまできている。

☆かえつ有明の教育の価値の転換については、すでに「2013中学受験【96】 かえつ有明が注目されるワケ< 問いの共同体>」で、述べたので、ご覧いただきたい。

☆この新しい教育の価値観については、実は栄東も西武文理も、都市大等々力も、開成も気づいている。だから、アクティブラーニングだとか、PBLだとか、ハーバード大学だとか模索しているのである。経営戦略的には、20世紀型教育では、この中学受験市場は劣化するというマーケティングのアンテナをしっかり広げているということ。

☆ただ、一方で「現実的」というすてきなコンサバ擁護の言説が90%支配しているから、あくまで20世紀型教育の精度を上げ、21世紀型教育は、経営的には意匠である。もちろん、西武文理の進路指導部の教師陣は、筋金入りの21世紀型教育の推進者であり活動家である。

☆ところが、「かえつ有明」は、有明の地にシフトした時、経営戦略的にも教育の価値観的にも、21世紀型教育に大きく舵をとったのである。はじめ、多くの受験業界のシンクタンクは、これをどのように評価するか戸惑った。シンクタンクというのは、客観的に判断する能力はトレーニングされているから、何かが違うというセンサーは働く。しかし、客観的とは何かということに関して問うトレーニングはされていないから、国際バカロレアやSAT、Aレベル、IELTSなどのような評価の基準というものを受け入れる土壌がない。

☆あくまでも客観評価という空虚な言説を支えている偏差値基準をつくる目線が基盤。ただし、その偏差値がどのようにできるかという実態を知っているがゆえに、かえつ有明が、従来の指標ではズレがあるというのは、はじめからわかっていたのだ。

☆もっとも問題なのは、いくつかの大手塾の経営者が、学びや評価に口をはさむことだ。20世紀型教育もそもそも理解しようとしないのに、塾の経営者であるというだけで、何か特別な理解をしていると錯覚している。あくまで個人的体験の範囲でしか語っていない。そんな考えに右顧左眄してきた私立学校もあるというのは否めないが、成功している私立学校は、経営戦略的には、受験市場をステイクホルダーとして受容はすれども、右顧左眄はしない。

☆こういう事態が露わになってきたのである。今後は、精度の高い20世紀型教育を行っている私立学校、たとえば攻玉社。精度の高い20世紀型教育に21世紀型教育も多少加える学校、たとえば、栄東や開成。精度の高い21世紀型教育を行っている学校、たとえば広尾学園やかえつ有明。

☆というように、高精度20世紀型校と20.5世紀型校、そして高機能21世紀型校がサバイブすることになるだろう。あとは、高機能21世紀型校が増えてきたところで、受験市場の大転換の動きが加速するだろう。それは2015年である。なぜなら、そのときには学習指導要領が再び見直されるのであるが、ICT教育、デジタル教科書などのイノベーションが完全にベースになるし、IB、Aレベル、AP、SAT、TOEFL、IELTS、EEなどの欧米では当たり前の評価が、やっと本格的に日本に上陸してくるからだ。

☆それを促進させるのは、東大秋入学に象徴されるように、各大学でグローバル人材育成コースのようなオールイングリッシュかつタブレットを活用したFC(反転授業)やPIL、PBLの学びが広がるからである。

☆横文字ばっかりで略字ばかりで何を言っているのかと思われる方もいるであろう。逆に1998年・99年の私学危機を乗り越える時にすでに話題になっていたものが多いではないか、今更であるが、現実態となることにワクワクするという方もいるだろう。

☆どちらに与するかは、思想の自由!言論の自由!である。だがしかし、「かえつ有明」は、そのどちらにも与しない。というのもすでにIBの類や反転授業は、必ずしも高機能な21世紀型教育ではないということは体験済みなのである。

☆つまり、21.5世紀型教育にバージョンアップしようという試みが、すでにスタートしているということである。これは、中等教育段階での話になると、世界でも数少ないチャレンジである。なぜそんなことが言えるのか?それは日本の明治維新以降の≪私学の系譜≫の特徴に帰因する。

☆首都圏、特に東京という限られたエリアに、これほど私立の中等教育段階の学校が集積している場は、世界に類をみないからだ。世界の中等教育は、そのベクトルは21世紀型では確かにあるが、あくまで主役は高等教育機関、つまり大学。APやIBなどのように、一部の高授業料の超富裕層向けの私立学校のみがそのシステムを充実している。かえつ有明は、それ以上の21.5世紀型教育を、在校生全員にシェアしようとしている。

☆もちろん、このことを多くの人が理解するのはまだまだ先のことである。今のかえつ有明を7年前に、想像できた受験業界人が少なかったように。

|

« 2013中学受験【97】 首都圏応募者動向 1月24日 | トップページ | 2013中学受験【99】 よるべんに 灘校生のTehuくん登場 »

中学入試」カテゴリの記事