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2013中学受験【134】 日本取引所と中学受験を結ぶ糸

☆日本取引所と中学受験を結ぶ糸というと、なになにアベノミクスで、冷え込んでいた中学受験市場に好影響が現れるという予想かいと言われそうであるが、それもあるが、そういう話でもない。日本経済新聞(2013年2月7日)によると、

株の街・兜町が沸いている。日経平均株価が6日、リーマン・ショック後の高値を更新。東京証券取引所での売買代金は約2年ぶりに3兆円に迫った。大商いで取引所も潤う。1月に東証と大阪証券取引所が合併し発足した日本取引所グループ(JPX)には願ってもない滑り出しだ。しかし最高経営責任者(CEO)の斉藤惇(73)は1月に講演でクギを刺していた。「目先の利益より社会的な使命が優先する」

☆金融システムが「目先の利益より社会的な使命が優先する」と表明しなければならないほど、現実は目先の利益で動いているということなのだろうと思いながら、もう少し記事を読み進むと、この使命が≪私学の系譜≫の話に行きついたので驚いた。

 利益を追うあまり、目先は負担でしかない市場の質を磨く努力がおろそかになる懸念だ。新興国の成長企業を積極的に呼び込んだ米国の株式市場では昨年、不正会計などで中国企業の上場廃止が相次ぎ、市場の信用が傷ついた。

 取引所のそんな弱点を補うため、草の根の活動をする投資家が日本にはいる。「株式投資は社会貢献にもなります」。1月12日、沖縄・那覇。90人を集めたホールで、コモンズ投信会長の渋沢健(51)は訴えた。人々に株に興味を持ってもらおうと、東証が全国を行脚する試みだ。

 渋沢は投資家の裾野を広げるため講師を買って出た。高速取引をする投資家を勧誘して売買を増やせば取引所の収入は伸びる。しかし、特定の投資家に売買が偏ると相場は荒れ、市場の魅力は落ちる。長い目で見ると、自分が身を置く資産運用業界にも逆風だ。

 高祖父・渋沢栄一から伝わる思いもあった。明治以降500を超える企業を立ち上げた「資本主義の父」は、1878年に東証や大証の前身が誕生した際も後押しした。「栄一は、企業の成長資金を広く薄く集めたかった」。質の優先は取引所の原点でもあった。

☆「質の優先は取引所の原点でもあった」の原点こそ、私学人渋沢栄一の「論語と算盤」の本質であり、≪私学の系譜≫の精神である。金融業界で、≪私学の系譜≫を復活しなくてはという動きがあるのに、中学受験業界では、≪私学の系譜≫に無関心で、目先の利益を追う大手塾・予備校の利益誘導に私立中高一貫校は翻弄されている。

☆≪私学の系譜≫のルーツである、江原素六の学校、高橋是清の学校、根津財閥の学校、新渡戸稲造の学校、内村鑑三の学校、聖公会の学校は、なぜ立ち上がらないのか?

☆しかし、その一方で≪私学の系譜≫のルーツである福沢諭吉の学校、嘉悦孝の学校、板垣退助の学校、石川角次郎の学校、新島襄の学校、渡邉洪基の学校は新しい教育の質の時代を拓こうとしている。金融の質、教育の質。いいじゃないか。

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