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土浦日本大学中等教育学校 彼の幽霊は消えた!リベラルアーツな教育

☆今月14日、「平成24年度 日本大学付属高等学校等 第30回文芸コンクール表彰式 」があった。土浦日本大学中等教育学校から、4年生の石井美唯さんが詩の部門で特選を受賞したという。同校からは詩の部門でもう一人佳作を受賞。そして、小説部門、読書感想文部門、短歌部門でも賞に輝いた。

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その5つの作品は同校のサイトで読むことができるので、ぜひご覧いただきたい。

☆高校生の時期特有のもやもやした雰囲気は、つねに幽霊としてまといつく。しかし、その幽霊は自分自身の幻影であり気分である。それに気づく過程のヒントを、同校の学園生活の中に見いだしている作品である。

☆もちろん、詩や物語の設定はフィクションであるが、自分の学園体験をメタ化していることは推察できる。

午後になって、

十六分音符が

五線譜の階段を

一気に転げ落ちた

テストの返却。

中世の古い教会の中に

ひびきわたる

重苦しい不協和音の中で

ひざまずく第三楽章。

☆学園生活の時間になぞって詩は描かれているが、言うまでもなくテストの点数がわるかったから、落胆したという事実が大事なのではない。それはレトリックのきっかけにすぎず、その心的気分を、「中世の古い教会の中に/
ひびきわたる/重苦しい不協和音の中で/ひざまずく第三楽章」と表現しているところが優れている。

☆土浦日本大学中等教育学校は、キリスト教学校ではないが、2年次と4年次とイギリスに研修旅行に行く。もしかしたら、その経験が活かされているのかもしれない。

☆その重苦しい不協和音と共に現れる「幽霊」。人間の心的状況の映し出す映像に過ぎないが、そのことに気づいて、消えるまでのプロセスが中高の成長期である。互いに、「幽霊は消えた!ね」と肩を組みながら、未来に羽ばたく卒業式をもうすぐ迎える同校である。

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