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ハーバード大学ディーン・ウィリアムズ氏 外国語はリーダーシップを育むため

☆日本経済新聞(2013/2/17 10:00)によると、

リーダーシップ論の専門家であるハーバード大ケネディ行政大学院講師のディーン・ウィリアムズ氏が在日米国大使館の招きで来日した。日本の実情にも通じているウィリアムズ氏は「課題解決を政治家任せにするのではなく、市民一人ひとりがリーダーシップを発揮し声を上げることが重要」と指摘している。

☆市民一人ひとりがリーダーシップを発揮するという発想は、当たり前のようで、当たり前ではない。ある企業コンサルをしている会計士とリーダーシップ論について話していたら、経営陣のリーダー論はわかるが、従業員1人ひとりのリーダーシップ論はおかしいのではないかと指摘されたときがある。

☆一般論ではなく、その企業の組織がピラミッド型だったからなのかもしれない。また、別の組織で、プロジェクト学習をつくったときのことである。チームに分けるが、どうしてもチームではなく、グループとか班という名称にこだわられたこともある。班長は1人なのだという。

☆ある一定の生産性ということを考えれば、それでもかまわない。しかし、デモクラシーの原理をとなると、生産性の前に、一人ひとりのアイデアが大切である。アイデアを現実化することが大切である。

☆すると、葛藤が起こる。その葛藤を調整するか、新たなものを創出するかは、一人ひとりのリーダーシップの質がものをいう。

☆もし、その質が最悪だと、結局組織はピラミッド型になる。1人ひとりはそのような葛藤を起こすぐらいならと、葛藤解決を避けてしまうのだ。つまり撤退行動をとるということだ。

☆すると格差のある配分はあるが、一定の収入はある。妥協すれば、その格差は縮まるのに。創造すれば、リスクは大きいが、格差ではなく納得に変質するだろうに。

☆ともあれ、その葛藤をどのように処理するか、価値観が違い文化も違えば、外国語によるコミュニケーション力は重要なメディア機能をもつ。ディーン・ウィリアムズ氏は、次代を担う学生が身につけるべき能力は何かという問いにこう応える。

 「一人ひとりが批判的思考能力を養うことだ。大学で一般教養を学ぶことは米国の強みの一つ。過去に起こった対立や問題を正しく理解してこそ、現代の問題を解決できるようになる。そのためには書籍だけでなく実際に自分の目で世界を見てほしい。現代の問題の多くは国境を越えた協力をしないと解決が難しい。外国語の学習もその一歩。米国の学生にもそう教えている」

☆リーダーシップと外国語。世界戦略を考える米国発想ではあるが。

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