変わるか大学【06】 私大医・歯学部値下げ消耗戦
☆日本経済新聞2013/3/7によると、「私大医・歯学部の学費 学生確保へ値下げ合戦 」が起きているという。
学費の大幅な値下げや入学試験の受験料割引に踏み切る私立大が増えている。医・歯学部では卒業までの6年間で数百万円超の値下げも珍しくなく、複数学部受験やインターネットでの願書提出による割引も広がる。優秀な学生の確保や他校との差別化を図ろうとしているとみられる。専門家は「少子化が進む中、消耗戦覚悟の値下げは続くだろう」と指摘している。
☆アベノミクスの活況のシンボルとして、株価はリーマンショック以前に戻り、ドル円は96円に突入。しかし、教育領域では、まだその恩恵に浴さない話ばかり。
☆Need-blind admissions systemsという米国のスカラーシップの制度を活用すればよいのに、「消耗戦覚悟」のダンピングに突入。といってもまだまだ6年間で2,500万円くらいの学費がかかるわけだから、庶民感覚からいえば高嶺の花であることに変わりはない。
☆しかし、優秀な生徒に門戸を開くというより、生徒募集に困って、値下げしているというのが実情であるし、親も費用対効果を考えるのは世の常。
☆庶民感覚では、損得勘定が働くのはやむを得ないし、むしろ健全である場合が多いだろう。
☆したがって、「消耗戦覚悟」ということは、すでに解決不能の「消耗戦」になっているということだから、値下げによる問題解決は敗者の論理ということになる。
☆問題解決そのものの考え方を変えざるを得ないのではないか。というよりも放っておいても論理必然的にそこにいきつく。早いか遅いかの違い。アベノミクスの波及効果が教育領域に登場してくるまで、時間稼ぎをしようというのもわからないではない。
☆しかし、バブルがはじけるのも世の常である。そんな刹那主義の時代である。こういう時代にその先を見通すところがサバイブするだろう。
☆まだまだ私大も国家つまり文科省だよりのところも多いが、昨今目の前で起こっていることは、
安全保障構造
金融構造
生産構造
知識構造
☆という各構造のパワーのあり方が、「権力より愛だね」に変わりつつある。この構造転換をそれぞれの分野で果たしたところが勝者。
☆医歯薬系は、技術革新によって、たとえば、医歯薬金融学とか医歯薬法学とか医歯薬建築学が誕生して、複数の資格を取ることが可能になるとかいう構造転換が図れるとよいわけである。
☆弁護士、司法書士、行政書士・・・とあるように、医者も専門領域の分野の外延的な区分ではなく、病気に対しNeedBasedな資格制度を構築すればよいわけである。
☆たとえば、網膜症の場合、網膜症であるかどうかの判断をする医者と網膜症を手術して治す医者と、iPS細胞で網膜の移植をする医者と同じ国家資格である必要はないし、部分的にはコラボレーションという形でそうなっている。
☆それをきちんと、法整備すればよいだけではないだろうか。そういう働きかけをせずに、古い法体系の中でラットレースを続けることを「消耗戦」というのだろう。
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