変わるか大学【14】 京大も推薦入試 IB型AP型高校と接続提案
☆日本経済新聞2013/3/26 22:26 によると、
京都大は26日、2016年度入試から推薦やAOなどを柱とする「特色入試」を導入すると発表した。高校が提出する書類の審査に加えて、論文や大学入試センター試験の成績なども含めて総合評価する。募集人員は最も多い経済学部が25人で、10学部で計100人程度になる見通し。詳細は学部ごとに詰める予定で、来年3月までに発表する。
☆文部科学省が書式を定める従来の調査書に加えて「学業活動報告書」(仮称)を提出するよう校長に求めるという。科学系のコンテストや課外活動、ボランティアなどの取り組みを重視するようだ。これは、高校の評価や教科活動の教科書外へのリンクを示唆するプレッシャーでもある。
☆また、志願者も「まなびの設計書」を提出。このアイデアは、慶応SFCのAO入試に似ている。
☆「医、薬、工の各学部では面接、理学部では口頭試問も行う予定。教育学部は知識量だけでなく、思考力や表現力を評価する「パフォーマンス課題」を課す試験を検討する」というアイデアもあるようだ。帰国生入試と同タイプ・同レベルということだろう。
☆京大が昨年から推進してきた「高大接続型京都大学特色入試」による改革は、京大も変わるから高校もいっしょに変わって欲しいというメッセージでありプレッシャーである。
松本紘学長は「高校での幅広い学習に裏付けられた総合力と学ぶ力、高い志を評価する仕組みだ」と説明した。
☆これは、高校に対し、20世紀型の受験勉強ベースの授業のみならず、教養、学びの方法、エンパワメント評価など、21世紀型教育をちゃんと実践してくださいというメッセージ。脱ゆとり路線で教科書のページ数がたかだか15%増えたぐらいで、それがなんだというのだ。教科書の外に出よ。学びは世界にこそあるのだとIB型あるいはAP型の教育を早々にやって欲しいということ。
☆しかし、それができるのはこれまた私立中高一貫校と名門公立高校。その中で本当にデキルヤツは、さっさと海外大学に行ってしまう。その才能を引き留めることは果たしてできるのか。
☆日本の高校を退学して海外の高校にいくとき、彼らはUWCというインターナショナルのコンソーシアムに立ち臨む。奨学金が半端なく出るからである。待っているのがIB授業。
☆お金があれば、アメリカの超エリートプレップスクールに入る。そこではAP授業がある。
☆これらの高校と同様の教育を、日本の高校に求めているのが京大で、これは東大も変わらない。東大、京大となれば、このレベルの推薦入試を行う大学は、一橋、東工大、名古屋、大阪・・・と広がるだろう。全部で1000人ぐらいの枠が出来上がる。東大の定員が3000人強であるから、けして少なくない枠である。
☆2016年から東大も京大も、このような入試を行っていく。今年からはグローバル人材育成の環境も整えていく。高校も遅くとも2015年には、21世紀型教育クラスを1クラス分は作ることになるだろうが、そのような2015年対応型学校は、果たしてどのくらい登場するだろうか。ともかく、大いに期待しようではないか。
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