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東大合格者数の季節2013「08」 渋谷教育学園幕張は御三家を超えるか

☆今年の渋谷教育学園幕張の東大前期日程の合格者数59名はインパクトがある。東京の御三家のうち開成と麻布を超えれば、日本一ではないか。麻布はすぐに追いつきそうだが、開成はしばらくかかるかもしれない。

☆しかし、だれが東大合格者数だけで、御三家を超えたと評価するだろうか?それを理由に評価するのは経済誌などのメディアだろう。私学の奥行きなど語っても売れないから、そういう記事は書けないのだからしかたがない。

☆逆に多くの受験塾もそういう評価はしないだろう。できるとしたら、SAPIXぐらいだ。実際たくさん受験させているし、御三家を中心とする偏差値上位校しかターゲットにない。他の塾は通塾生徒のことを考えれば、そういう指標で語ると見放される。そういうプレッシャーがある。

☆そうはいっても、渋谷教育学園幕張は、御三家のいいとこどりをしている学校だから、お得感満載であることに変わりはない。

☆同学園では、在校生を自調自考生と呼んでいるほど、この四字熟語はすっかり教育理念の中核をなしている。しかし、これは武蔵の建学の精神だ。平気でそう言える商魂たくましさにノーブレス・オブリージュを感じる人はいない。

☆理事長校長の田村先生自身麻布OBであるから、麻布的自由は大切にしている。しかし、渋谷教育学園幕張の生徒には麻布の自由は過激すぎる。個性を個人を大切にする以上、モダニズムを揺るがす「分人論」を持ち出す自由には制限をかけている。保護者はたしかに「幕張的自由」に安心するだろうが。

☆海外の大学ももう15年以上も前から、たくさんの進学者を輩出している。開成の柳沢校長がグローバル人材の話をする前からすでに実践している。だから、開成の今後のビジョンも先取りしている。

☆すでに、御三家を超える資質を持っていると思うのだが、そういう評価がなかなかされない。それはなぜか?

☆それはいいとこどりのフレームはできているし、本家よりもその機能は優れているかもしれないから。それは同じ構造のものだと、後発の、たとえばサムソンのように、先行者を駆逐する効率性を有しているからというのもあるだろう。

☆それはトヨタやホンダが、フォードの歴史性という品格をなかなか評価されないのと同じだと言ってもよいかもしれない。

☆品性とは何か?それは社会に対する影響力ということだろう。東大の数や偏差値の数字を鼻をふくらまして、自慢するような田村先生ではないからもちろん大丈夫であるが、組織の質というのは、スタッフの言動に映し出される。スタッフの先生方の一挙手一投足にあふれんばかりの教養が満ちていれば、御三家の質に肩を並べることができるだろう。

☆しかし、そのときは、東大の合格者数で学校の品格が決まるのではないということが了解されるだろう。いずれにしても渋谷教育学園幕張は、まだまだ成長が期待されるというこだろう。

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