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東大合格者数の季節2013「18」 立教女学院 強力なGI路線

☆今年立教女学院から東大に合格したのは1名であるが、これは実はすごいことなのである。もちろん、この合格者数の数のことを言っているのではなく、このことが意味することそれ自体である。

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☆というのも、立教女学院の卒業生数は180人強で、そのうち64%は立教大学に進む。それ以外の40%は、ほぼ早慶上智、GMARCHに合格。その少ないメンバーの中での東大合格者1名というのは、教育の質のすばらしさを物語っているからである。

☆その教育の質とは、多様な学びのチャンスによってつくられているが、それらを統合しているのは、6年間通して行われるARE学習。自らテーマを求め(Ask)、調べ(Research)、言語化して発表する(Express)学習。高校では、ARE学習を通して卒業論文を作成。今年も写真のように、傑作選集が刷り上がった。

☆立教女学院では、日々の教育活動が、問題意識を開く重要なきっかけになっている。毎日の礼拝、パイプオルガンの響き、平和学習、イギリス庭園風のキャンパス、もちろん部活などなど。

☆だから、常に自ら問いを投げかける。他者に問いかけるのではなく、自らに問いかけるのである。この逆転の発想が極めて重要である。

☆講演会が行われ、生徒が質問することの重要性が説かれるシーンによく遭遇するが、それは間違いではないが、本当に考える行為とは限らない。なぜなら、他者に問いかけ、他者の考えを聴きとるわけで、結局は回答をもらっているのだ。

☆もちろん、インタビューは重要であるが、それは、自問自答し問題意識のアンテナが高くなっているから、できることでもある。

☆それにしても、1万字以上の論文を書くのに、調べた本や論文の数は、いずれも膨大な量だ。軽く100冊以上の文献や論文を調べている。高校の化学教育と大学の化学教育のGAPを、学習指導要領、センター試験、AO入試、国立大学の二次試験、PISA、APプログラムなど幅広く丁寧に比較してあぶりだしている論文など、文科省のメンバーにぜひ読ませたいものである。

☆サブサハラの女性の肥満を通してみる都市化とそれを促進するファーストフードがもたらす階層構造のパラドクスなど豊富な視角の切り口とリンクスが見事である。

☆デューク大学のキャシー・デビッド教授ではないが、反転授業など学びの方法やモチベーションアップのスキルがいくら向上しても、結局は世界の現実問題を解決する力など身につかないのである。たしかに、そのような世界の痛みを解決しようという気概と解決能力がなくても東大には合格できる。

☆しかし、それでよいのか?世界の痛みを解決する未来を拓く総合力をもった教養ある生徒をいかにして東大も合格させることができるのか?グローバル人材に欠かせないその力をいかにして測定できるのか?

☆卒業論文の中で、日本の化学の学習指導要領は、熱化学方程式などという化学理論では使わないようなものが主流になっている。これは解き方の話であって、理論とはギャップがあると語っている。

☆理論を学ばずに、解き方を暗記している優秀生よりも、理論を学び、ひらめきと創造力のあるサイエンティストの卵をいかに海外の大学に持って行かれないようにするのか。2016年から、東大や京大が推薦入試を始める準備をしているのは、そのような理由があるのだろう。

☆化学を学びながら、自問自答している立教女学院の生徒は、世界の問題にたどり着いているのではあるまいか。

☆世に偏差値の低い生徒は、このような思考力は持っていないから、まずは暗記からだという学校もある。およそ思想や表現の自由を奪う言動である。そんな民主主義度の低い学校にわが子を行かせないように、立教女学院のようなGI路線を歩んでいる学校をモデルに、学校選択の感度を磨いておくことである。

※GI路線については→東大合格者数の季節2013「15」 筑駒 創造・挑戦・貢献 GI路線けん引

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