« 東大合格者数の季節2013「18」 立教女学院 強力なGI路線 | トップページ | 2015年教育予想図【02】 なぜ東大がグローバル人材育成なのか? »

2015年教育予想図【01】 なぜ東大がグローバル人材育成なのか?

☆明治国家成立以来、良いか悪いかは別として、東大という機関は、歴史的に重要な役割を演じてきた。そして、それは今も変わらないが、同時にその役割の終焉も近づいている。

☆というのも、東大の機能は、日本という国家の機能とほぼ一致するからである。日本国家は、今もなお近代官僚国家で、それを支えてきた人材を輩出してきたのは東大である。

☆もちろん、偉大な人材を生んできたのは、確かに場所としての東大ばかりではないが、地理的時間的には、違っても、機能は東大モデルであることに変わりはない。

☆それでは、在野の慶応大学をはじめとする私立大学はどうなのかというと、実際には、東大機能が輩出した人材が学内に入り込んでいるために、東大機能の構造的パワーの影響がないと断ずることは出来ないだろう。

☆したがって、東大という機関の終焉とは、日本の高等教育機関の知の構造の終焉と考えたほうがよいかもしれない。

☆東大を頂点とする学歴ピラミッドも、この高等教育機関の知の構造の労働市場の物象化にすぎなかったということでもある。

☆しかし、今やグローバリゼーションの席巻によって、国内事情や都合で成立する知の構造や労働市場の構造が揺らいでいるのである。塾予備校が、東大・医学部・ハーバード大学!と叫んだところで、どうにもならない受験市場の構造転換も迫っている。

☆もちろん、国家や東大が死滅するなどという左派的な考え方など論外で、そうではなく、国家や東大の構造パワーの転換が余儀なくされているということである。

☆その結果として、脱偏差値、脱学歴主義、脱脱ゆとり教育という流れが見えてきているということなのである。もはや私たちの仕事は、どれ一つとっても国内事情で遂行できるものはなくなったからである。

☆もしも、国内事情や都合で行えると思っていたならば、早晩それは吹き飛んでしまうだろう。それはグローバリゼーションのヘゲモニーがそうするというかつての左派的な考え方ではなく、たんに民主的人間論的視野からそうなると予想しているのである。

☆左派がどんなに世界の相互依存関係というものは非対称関係を隠ぺいする甘言だと主張しようとも、相互依存関係を否定できないのである。たしかに、過渡的には、相互依存関係が非対称的な関係になっているかもしれないが、それは公平な相互依存関係へと問題解決すべき重要な論点であり、隠ぺいだと論じているだけでは何も改善されないのである。

☆しかし、この点に関しては、日常的にはまだまだ不問に付されているがゆえに、国家の利益を優先するという意味でのグローバル人材の育成が現在模索されているところである。

☆これは、政財官学が連携してというよりも大企業の力に依存して成り立っている国内事情があるからで、彼らにとってはパラドクスになるが、そのような狭量なグローバル人材育成は、いずれ公平でグローバルな相互依存関係をけん引するという意味での普遍的なグローバル人材育成に席を譲ることになる。

☆今のところ、この普遍的グローバル人材育成に挑戦できるのは、私立中高レベルである。というのも、この領域は東大=国家から比較的自由な学びの空間を持っているからであり、この小さいけれど自由な空間こそ、新しい生活活動としての新市場を生み出す契機があるからである。

☆従来の国家利益を優先する構造的パワー(=非対称的な関係を構築してきた)から公平でグローバルな相互依存関係を作ろうとする意志がリードする構造的パワーにシフトしようというのが今であり、それが2015年には教育の領域でも明確な輪郭を表現してくるだろう。

☆それゆえ、「2015年教育予想図」について思いを巡らしてみるのも少しは意義があることであろう。

|

« 東大合格者数の季節2013「18」 立教女学院 強力なGI路線 | トップページ | 2015年教育予想図【02】 なぜ東大がグローバル人材育成なのか? »

21世紀型教育」カテゴリの記事