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2015年教育予想図【03】 工学院附属中 「誰にでも」夢を追い続ける素質と資格がある①

☆新年度が始まった。やはり今年は教育に何かが起こる。たびたび、本ブログでも2015年対応型の学校が多数現れると語ってきたが、新渡戸稲造と内村鑑三が、≪私学の系譜≫の発想を生んだ札幌の地から、首都圏の私立中高を眺めていてそう思うのである。

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☆そして、本日手にしたパンフレットを見て、さらにその思いを強くした。そこには、工学院大学学園創立125周年記念の一環として同学園附属中高で行われた根岸英一博士の講演会の模様が描かれており、工学院の教育遺伝子の確認と今後の展望が描かれていたのである。

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☆新渡戸稲造と内村鑑三が札幌農学校で≪私学の系譜≫の世界精神の発想の種を育む10年前に、東京では、もう一つの≪私学の系譜≫としての世界構築が始まっていた。それが工学院のルーツである工手学校である。

☆この学校の発想は、オバマ大統領のメーカーズスペースの構築に重なる。世界を創造するのは、一握りの富裕層やエリートではなく、すべての人民にチャンスが開かれているという発想である。

☆明治国家は、官僚制度による上からの近代化だったが、それがすぐに破たんするという局面にぶつかる。その象徴が、井上馨の鹿鳴館政策の破たんである。しかもその破たんは自らが雇った英国の天才建築家ジョサイア・コンドルによってもたらされた。

☆コンドルは、鹿鳴館に世界の新時代の発想を注いだ。それが明治国家の近代官僚の価値観に合わなかった。もしも、この価値観をそのとき引き継いでいたなら、太平洋戦争は起こらなかったかもしれないほど、歴史的には重要なパースペクティブであるが、それは、今東京駅の丸の内駅舎復元によって眺めることができる。

☆コンドルの当時の官僚とは異なる新しい時代精神は、辰野金吾に継承され、それが丸の内駅舎に見事に反映されているわけであるが、この丸の内もまた、岩崎彌之助に払い下げられた地所、つまり民間に官僚が委譲していった歴史の象徴の一つ。そして、この辰野金吾こそ工手学校の提案者渡辺洪基を支えた私学人である。渡辺洪基もまた、明治の官僚的発想とは違う価値観の持ち主だった。

☆このようなもう一つの≪私学の系譜≫である工学院大学学園125周年記念のときに根岸博士が講演したのである。趣旨は「誰にでも、夢を追い続ける素質と資格がある」ということ。

☆ノーベル賞受賞の確率は1000万分の1だが、10の7乗分の1だと置き換えれば、「10分の1の選抜を7段階通過すればよい」ということがわかり、現実味のある夢となるだろうと。

☆「誰にでも」可能性が開かれていることの実感を語ったわけであるが、その発想こそが工学院のルーツである。

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☆そして、夢を追い続けるということは、「実現に向けて努力を続けること」だという。これは山中教授とも同じ発想。山中教授もVとWを大切にするという。Vはビジョンであり夢である。Wはワークであり、仕事であり、努力であろう。

☆さらに、根岸博士は、夢を見つけたら、とことん追求すべきで、そうしていくとやがて舞台は世界につながると。

「競争の場を世界に求めて、学ぶための師も世界単位で探し、自立心と協調性を常に持ちながら、チャレンジしてください」

☆この根岸博士の言葉こそ、工学院附属中高のビジョンの確認とその実現のためのバージョンアップの宣言に他ならない。

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