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2015年教育予想図【04】 工学院附属中 「誰にでも」夢を追い続ける素質と資格がある②

☆前回根岸英一博士が、工学院大学学園125周年記念講演で、「競争の場を世界に求めて、学ぶための師も世界単位で探し、自立心と協調性を常に持ちながら、チャレンジしてください」と語ったことがパンフレットに掲載されていることを紹介した。

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☆そしてパンフレット4枚目を見て驚いた。工学院大学学園建学の先達者の方々の写真のページなのであるが、最後がこう締めくくられている。「宮下校長から平方新校長へ受け継がれる熱い想い」。

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☆宮下校長は、先生ご自身理学博士で、有機分子構築法という未知なる化学合成などの研究者。おそらく創薬やナノテクノロジーを科学しているのだと思うが、その科学的思考そのものを、ブルーナーではないが、科学の最前線の構造を中高生に学ぶ素地を形成してきたのだと思う。

☆だから、挑戦、創造、貢献という工学院の教育スローガンは、伝統的にそのような科学的背景があり、筑駒や鴎友学園女子とは質感がだいぶ違う。

☆そしてその質感を徹底的に中高に浸透させるべく、新校長に平方先生が就任された。平方先生は、私立中高協会などで活躍する私立学校のリーダー的存在。

☆21世紀型教育の提唱者でもある。89年以降に、時代の要請として模索されてきた新しい学びを追究しつづけ、世界で競争できる学びの環境を創出する必要性を私立学校の集まりの中で提案し続けてきた。

☆政財官学が騒ぎ立てる前から、グローバル教育、そして教育イノベーションをビジョンに、世界を飛び回りながら、教育を研究してきた。先生ご自身は彫刻家であり生物の教師でもある。だからそのデザイン手法は、有機分子構築法的でもあるし、ともかくコヒーレントな考え方、未来構成主義的な思考デザインをする人物である。

☆日本の教育システムで遅れているものの一つが高大連携である。そういう名称はあるが、それは欧米のものとはまったく似て非なるものである。その証拠に、日本の高大連携システムを使っても、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学へは進学できない。進学のためのアプリケーションの書類さえ満たせない。資格が足りないからである。

☆日本では、IBとかAレベルとかAPというシステムは、高校卒業資格を取得するものだと思われている。 たしかに高校卒業資格に120%相当するものであるが、それ以上に重要なのは、世界の大学のパスポートだということだろう。だから、最近急に文科省がIBだ、ディプロマだ、TOKだと喧しい。

☆TPPは、その海外の高大連携のシステムがやってくることが予想されるからである。それゆえ、東大をはじめとする国立大学も、急にグローバル人材育成のために、秋入学、英語による講義、留学制度、グローバルコースなどなど整備し始めているのである。

☆こういった情報をリサーチし、グローバル教育や教育イノベーションのビジョンを打ち出し、実現化してきたのが平方先生である。平方先生は、中高協会の副会長でもあり、中高連や中高協会のリーダーと未来の教育について話し合い、私学の先生方の研修も行ってきた。

☆世界標準の高大連携モデル、日本初のデュアルエンロールメントを、工学院大学学園グループで創出していくことだろう。なぜそれが可能なのか?それは、21世紀型教育の授業の一つにPBLというものがあるが、これは工学院大学でも行われている。このPBL型の授業が中高大で一貫性をもてば、学習指導要領がどうあれ、科学の最前線の知を中学から大学・大学院まで理解し活用することができるようになるからである。

☆従来の中高は、基礎基本と言えば知識の定着かその組み合わせがせいぜいだった。大学入試がそれしか求めてこなかったからである。しかし、IBやAPは、科学的思考力のテクニックのみならず、ファンダメンタルなベースまで中高大で共有するものである。

☆これが欧米のデュアルエンロールメントの心髄である。この思考の基礎力を育成するからこそ、「誰にでも」夢を追い続け、実現することに挑戦できるようになるのである。

☆工学院は、「挑戦、創造、貢献、グローバル、イノベーション」というキーワードをますます中高大に貫徹する「コヒーレント」な教育システムを構築していくに違いない。大いに期待したい。

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