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GI路線“02” 英語で英語の授業 高校新学期スタート

☆朝日新聞(2013年4月6日)によると、

教科書を訳し、先生が文法を解説する――。そんな従来型の英語の授業が変わる。「授業は英語で行うことを基本とする」という新学習指導要領が、今年度から高校で実施。学校現場はすぐに対応できるのか。

☆当然、不安と心配の声が、現場からあがる。

「文法や本文の意味をいきなり英語で教えるのは難しい」(福島県立高校の37歳男性教諭)、「受験指導と両立できるか」(新潟県立高校の25歳男性教諭)。教員同士の研修会では「そもそも自分の英会話に自信がない」との声も漏れる。

☆ちょっと考えると、文法は、日本語の口語文法や文語文法を日本語で教えても理解は難しいし、面白くない授業になりがち。英語の文法だけ、今までのように日本語で教えて理解が促進していたとは考えにくい。

☆「受験指導と両立できるか」という不安も必ずでるが、学習指導要領に受験指導というのはあるのだろうか?「瑣末な知識の暗記や受験技術の習得を強いることのないよう配慮」という言い方はあるだろうが、「受験指導」のための英語というビジョンは、教育基本法、学校教育法に違反する。現実はしかたがないではなく、法とはそういうものだ。法改正をする構えがあるならそれはそれでよいが。

☆体罰問題と同じで、愛のむちだからとか、子どものためだからでは、通らない。違法は違法なのだ。

☆英会話に自信がない?高校で英語を英語で教えるというとき、英会話なのだろうか。日本語の会話で、文法や大学入試問題の解き方をするような野暮な人はあまりいない。

☆だいたい、日本語英文法でも、SVOOなんて記号で教えているのではないか。文型なんてっていう人もいるけれど、言葉の構造を教えるという言語学レベルの話だと、それも必要なのではないか。受験指導の一環としてしてか文型をとらえていないから、話がおかしくなる。

☆では、英語で英語の授業を行えばそれでよいのか。朝日新聞はそこもきちんとカウンターをいれている。

「生徒が英語を使う機会をつくるべきなのに、教師が英語をまくし立てていた」

☆要は英語であれ、日本語であれ、インタラクションという対話スタイルの授業をふだんから行っていない、つまり一方通行の講義しか行っていなければ、授業そのものは変わらないということ。

☆同紙は、そうではない先進校である北海道立旭川北高校(旭川市)の英語の授業の例もきちんと取材。

 「What do you enjoy doing now?」(いま何か楽しんでいることある?) 「Not now. I used to play softball, but I have to study now.」(今は何も。以前はソフトボールをしていたけれど、今は勉強が忙しい)

 3年生の授業。生徒らは松井徹朗教諭(57)から英語で話しかけられ、即興で答える。言葉に詰まると、松井教諭や他の生徒の助けを借りて言葉をつなぐ。

 教科書は訳さない。分からない単語や表現があれば、推測しながら読み進める。「大意をつかむことが大切。7割くらい分かればいい」と松井教諭。文法など日本語での解説が必要な学習は宿題にする。

☆今トレンドのインタラクティブな反転授業ということ。しかし、その効果について、こう述べられている。

1~2年生の模擬試験で偏差値50未満だった生徒の割合を分析すると、英語授業にする前の生徒では1年時の31・8%から2年時は34・8%に増えていた。英語授業を受けた生徒では、1年時の31・0%から2年時は21・1%に10ポイントも減っていた。

☆またも偏差値?TOEFLを教材に授業を行えば、一発解決するはず。このテストは、英検とは違い、たんなる英語のスキルを習得するものではない。要約や小論文を考える力が、ライティングだけではなく、リーディングやリスニングでも必要。それにこの要約や小論文も言語構造的なものがあり、広い意味では文法である。

☆欧米にとって、文法も教養の一部であるのだが、なぜ日本では文法は大学受験指導のスキルになってしまうのだろう。言語は人間の世界を構築する重要なスキルであり人間そのものである。

☆教養のない英語の授業をやることは人間否定にもなりかねない。生徒と英語の授業を共にすることはとても大切な時間でもある。これは英語に限ったことではない。文科省の教育行政は、そこを忘却しているのではあるまいか。

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