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GI路線“06” 米国大学中退事情 高大連携のニーズの理由

☆日経新聞2013.4.11 によると、

世界で有数の大学がそろっている米国は入学者の半分近くが卒業しない先進国でもまれに見る“中退大国”でもある。厳しい雇用情勢の中で大卒資格の重要性は増しており、大学入学者数は増えたが、中退者数も増加して社会問題となっている。大学と自治体の間で、新たな取り組みが始まった。

☆こういう全うな記事がやっと日本にも流れるようになった。いよいよ国内も海外もないグローバルな進路問題が議論されるようになったことを示唆する。

☆入りやすく、卒業がなかなかできない米国の大学事情をどこか称賛するような話題が、相変わらず日本ではまことしやかに流れてきたが、そんな愚かな話は虚構に過ぎない。

☆すでに、この危機感に対処すべく、20世紀末からデュアル・エンロールメントのシステムが米国では開発されてきていた。そしてそれが今さらに重要になってきているということなのである。

☆ここには、リベラルアーツ大学も苦慮しているという話もつながるのである。どういうことかというと、大学の大衆化からユニバーサル化になれば、当然研究よりも就活進路のためのスキルを身につける大学が必要となってくるからである。

☆悪貨は良貨を駆逐するのが世の常である。研究や探求があたかも就職のためのスキルを身につけるよりも価値があるなどという時代はとうに過ぎ去ったのである。

☆では、研究や探求が必要ないのかというと、そんなわけないではないか。研究や探究をソフトパワー、就活のスキルをハードパワーとかりにしようか。すると、かつてはセパレートできた20世紀はあったかもしれないが、ベルリンの壁が崩壊し、IT革命が一世を風靡し、金融工学や遺伝子工学が、紆余曲折している現在、ソフトとハードを分離して考えているのはおかしなものだ。

☆あらゆる産業にソフトもハードもリアルタイムにつながる時代である。リベラルアーツとイノベーションが役割分担しているような感覚の仕事は、2030年には65%以上なくなるのである。

☆農業生産物は、身体エネルギーであると同時に産業エネルギーとして形成される時代である。国勢調査でやっているような産業構造のカテゴリー自体妥当性がなくなるだろう。

☆そういう時代だからこそ、研究も技術も同時並行的に学び、学んでから働くのではなく、学び=仕事という時代がやってくる。

☆そんなときに中退者や留年する学生を大量に輩出してどうするのだ。学び=仕事になれば、税金の回収効率もあがるのだから、どこも財政難の先進諸国は悠長に構えてなどいないのだ。

☆それが良いか悪いかは、検討すべきだろうが、そういう流れが明確になってくる時代である。つまりGI路線ということ。これにリベラルアーツが加われば、グローバルリーダーシップの質は高まるし、自然と社会と精神を循環させる経済システムが成立するだろう。

☆ともあれ、米国のデュアル・エンロールメントは、大学入学前の準備制度がある大学とない大学の生徒獲得競争などというような自分だけの大学がよければそれでよいというような話ではない。そんな1対1対応ではなく、多対多対応なのである。

☆この多対多対応の海外大学につながるには、中高の教育においては、英語はTOEFL級の学びが必要になるし、授業は対話型かつ議論型(PIL&PBL)でなければならなくなるというわけである。

☆日本の教育改革は、このグローバルな教育改革に追いついていない。相変わらずガラパゴス。このことに気づいて、さっさと自分の子弟をインターナショナルスクールに入学させたり留学させたりしているのは、グローバル企業に勤務している家庭や富裕層。あとは世帯年収でなんとかがんばって私立中高に通わせている家庭である。

☆公立学校もはやめに改革路線に大きく舵をきらねばならないし、私立学校もその期待に大いに応えねばならない時代が、論理必然的にやってきているということなのである。

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