「東大新入生6割が就活不安」の意味
☆毎日新聞 4月26日(金)10時40分配信 によると、
今春、東京大に入学した新入学部生の6割が、就職活動に不安を感じていることが東京大学新聞のアンケートで分かった。科類ごとでは文科3類の7割が「不安」と回答。受験競争を勝ち抜いた新入生も、近年の就活の厳しさから「東大だから就職には困らない」と楽観してはいないようだ。
☆就活に厳しい現状を認識して、東大への入学と就職が相関がないことに不安を感じているというのは何を意味しているのだろうか。
1)経済の低迷によって雇用の供給不足に陥っている。
2)学歴社会の機能が低下してきている。
3)東大の権威が失墜してきている。
☆ということであれば、損得勘定の不安であるから、勝手にしろである。
4)拠るべき価値観がわからなくなってきている。
5)find a jobからinvent a jobへの社会の胎動をおぼろげながら察知
☆というのであれば、ポジティブな価値志向を持つように誰かにアドバイスを受けるとよい。
6)社会の土台そのものが地殻変動によって崩壊するのではないか
7)国際社会の中で日本社会が遅れてきているのではないか
☆世界的な視野を持てば、不安が明確な痛みにシフトするだろう。そのときはっきりとしたミッションが生まれるだろう。
8)資本主義対vs社会主義ではなく、利益収奪市場vsモモ的市場の大転換が起ころうとしているのではないか。
☆およそ100年前、芥川龍之介は、このテーマを読み切ることができなかったが、親友恒藤恭を慕いながらも、社会主義的な民主主義に活路を見いだすことはできなかった。その先に唯ぼんやりとした不安を感じた。
☆当時は、まだ資本主義vs社会主義の枠組みだった。どんなに親友の法哲学者恒藤恭に励まされ勇気づけられても、芥川龍之介はその先に進まなければという未来への不安を100年前に感じていた。
☆そして、なすすべなく死を選んだ。就活不安の本当の意味は、芥川龍之介とシンクロしているのではないか。しかし、時代は89年以降、芥川龍之介の生きた時代の枠組みを崩した。
☆村上春樹とともに芥川龍之介は翻訳が進んでいる。100年たって、龍之介の感性が、ようやくリアルな解決をキャッチできるからであろう。東大の新入生が、その感性を受け継いでいるとしたら、今度こそ、100年後振り返ったとき、生を選択する時代になっていたと評価されることを祈るばかりだ。
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