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海陽学園 中島尚正校長のジレンマ

☆中日新聞(2013年4月5日夕刊)「あの人に迫る」で、中島尚正校長はインタビューにこう応えている。

全人教育を表に出すほどギャップが大学入試で顕著に表れます。今の入試はペーパーテストで能力を測るから、対応するのに、五年間は全人教育を最優先で施し、最後の一年間は受験準備に専念させるという妥協を余儀なくされている。

☆このギャップが何であるかは、中島校長は、教育者であると同時に、工学博士でもあるから、2つのポイントを述べている。

☆1つは、人間味や覇気に富み、異質なものとも折り合いがつけられる、社会性の根幹にかかわる能力としての人間力の育成が、受験準備でとん挫する期間がでてしまうということ。

☆もう一つは、新しいことを学ぶ機会を奪ってしまい、知的探究心のふくらみを途中で止めてしまうブランクがあくということ。

☆このギャップは、かりに高3の1年間だけであっても、知識も才能もあるのに視野が狭く、社会性のない人材を生んでしまう可能性が高いし、科学的素養を見失うおそれが相当あるのだと。

☆しかし、海陽には寮制度が機能しており、フロアーマスターも協力企業から人材派遣してもらっている。24時間寝食共にするシステムと外部の環境を活用できる制度によって、ギャップを埋める教育に情熱をかけているのであると。

☆さりげなく、語っているが、寮制度に代わるなんらかの全人教育機能をもっていない学校は、人間力が不足している人材をたくさんだすのだと、まして公然と進学重点だとか受験指導の準備を早い時期から行っていますと公言しているような学校は、何を考えているのかという鋭いクリティカルシンキングが胸裏にあるともいえる。

☆さて、学校という組織は、校長のビジョンをすべての教職員がシェアし、実現するのが難しい組織である。もちろん、一元化しすぎると、全体主義的リスクがある。一方で多元化しすぎるとアナーキー的リスクが高い。

☆校長はビジョンを掲げ、その真意を受けいれ問い続けながら、ブレずにプレイフルにパッションをもちながら、ビジョンを実現する教職員のチーム、生徒のチーム、保護者のチームを形成するリーダーシップが必要である。

☆今年、多くの学校で新校長が誕生している。ビジョンを実現するリーダーシップを発揮できる校長を探したい。

☆ただし、学校は組織というよりチームで動く。見た目は組織だが、実質はチーム。チーム発想なき組織は形骸化して人間力が育つ環境にない。大学受験準備はできるが。

☆組織とチームの感度のギャップを見出したいものだ。それにしても校長が変われば、チーム作りの手法も変わる。結局ここをどうするかは、経営陣の意思決定力による。

☆たまたまリーダーシップのある校長を雇ったのか、戦略的に持続可能性を高めるために、ビジョンの遺伝子を継承できる校長を採用したのか。そこまで見破ることは難しい。結局、独立自尊が最重要だということになるのか。。。たしかに、ツゥラトゥストラは弟子をとらないと語ったが。

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