国立大教員 年俸制推進 海外人材呼び込むため?
☆日本経済新聞2013/4/23 2:00 によると、
グローバルに活躍し成長産業を支える人材育成を強化するため、文部科学省がまとめた大学教育の改革プランが22日判明した。国立大教員への年俸制と民間企業からの報酬受け取りを導入し、優秀な民間研究者や外国人教員を呼び込む。日本と海外のトップ大学が共同で大学院を設置することも促す。
☆成長戦略の一環として、人材の競争、海外人材の日本へのアクセスのインセンティブをあげるつもりなのだろう。
☆これ自体は、現状で健全な市場の原理を持ち込むことが前提だから、歓迎すべきことなのだろう。
☆そして、もはや大学はリベラルアーツの場ではないということでもある。リベラルアーツは、ソフトパワーやスキル生む源泉で、競争原理にはなじまないからである。
☆ただ、アベノミクスは、20世紀型グローバ経済の中での成長戦略であるから、大学もこの波をかぶるということである。
☆リベラルアーツは中高及び私立大学で行うという流れになるだろう。
☆というのも20世紀型グローバル経済は、基本的には功利主義的価値観が背景にある。簡単にいえば、損得勘定ということ。合理的効率的計算と言うのかもしれないが、要は損得の問題。
☆ここでは倫理的問題や道徳の問題は排除されるから、それゆえ初等中等教育段階で「道徳」強化という文科省の政策も、リスクマネジメント上、そうくるかあということになる。
☆リベラルアーツが成立する市場は、資本主義経済の中でも「モモ的市場」/「自然的経済市場」であり、損得勘定市場とは違う。しかしながら、21世紀型経済社会の構築はまだ大きな流れになっていない。それゆえ、この過渡期において、創発力のないリベラルアーツ教育は、廃棄されるだろう。
☆逆に言えば、新しい経済社会を形成する新しいリベラルアーツ教育が生まれる環境になってきたともいえる。文科省の政策は、逆説的ではあるが、この新しいリベラルアーツを生み出す端緒となるのだろう。
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