近藤会長 「私立と公立の教育の質の違い」語る<1>
【選択の機会】
☆私立中高一貫校を選択するという機会は極めて重要な意味がある。近藤先生は、「小学校低学年までは、音楽や絵画、スポーツなど幅広い領域で体験の機会を作ってきたと思います。そこで、お子さまと色々な夢を膨らませてきたことは重要です。そして今高学年になって、私立中高一貫校を選択する段階で、その夢を実現するためにどのような教育環境があるのか真摯にお考えになっていることだと思います」と保護者の問題意識を共有するところから始まった。
☆保護者は深くうなづき、近藤先生の物語の世界に入っていった。近藤先生は、この選択ということの意味を問い返した。当たり前のように学校の選択と言っているが、首都圏以外では、私立学校が少ないところが多い。すると自分の子どものための教育環境を選ぶ行為などできないのである。
☆したがって、この首都圏、特に東京は私立中学は180以上あるという歴史的にも国際的にも非常に稀有な環境であることを保護者とともに振り返った。会場は、改めていまここに自分たちがいることの重要性に気づいたようだった。
☆この選択の機会があるかどうかが、首都圏の私立と公立の大きな違いの大前提であるということをまず確認したのである。
【選択の視点】
☆私立学校は建学の精神を持っている。このことが各学校の特徴の違いの基本である。かりに偏差値表をみて、同じ偏差値だとしても、各私立学校の魅力は違うのであるから、個別相談のブースに参加し、そこをよくよく聞いてほしいとまでザックバランに語った。さらに、その建学の精神に基づいて本当に教育を行ているのかどうかも見極めてほしいとまで。
☆多くの私立学校は、そのような教育を実践しているはずだけれど、ときどきそうでない私立学校もある。しかし、そういう私立学校も立て直すことは可能だから、じっくり先生方の話に耳を傾けてほしいと。
☆そして、この建学の精神に基づいた教育が80年、100年、130年続いてきているのは、多くの人にその教育の正当性・信頼性が支持されてきたからである。もちろん、この建学の精神に基づいた教育実践は、時代の要請に従って日々新たに取り組まれてきた。この取り組みこそが創意工夫で、創意工夫をして歴史を歩んできているところは、これもまた私立と公立の大きな違いであると。
「伝統というと古いと思うかもしれませんが、新しい伝統を常にクリエイティブに積み上げてきた創意工夫の経験が伝統なのです。東京に公立中高一貫校が10校ありますが、この公立学校は、この創意工夫の積み上げがない。教育システムとしてあるだけなのです。システムと創意工夫の積み上げは、大きな違いがあるのです。公立中高一貫校の教育システムのモデルは私立学校なんですよ。モデルをそのまま活用しても、創意工夫の積み上げがなければ、どうなるのでしょうか」
☆そして、この創意工夫はなぜ生まれるのかということについてこう語られた。
「私立学校が新しい伝統を生み出すのは、創意工夫の結果です。この創意工夫をなぜ積み上げてきたのか、いるのかというと、目の前の生徒に合わせて、それぞれの生徒の状況からどうやって伸ばしてあげようかと考えるところから、また生徒が選ぶことができない時代の要請を読み解くところから、教育を積み上げているからなんですね。こうしなければ時代に支持される伝統にならないのです。公立中高一貫校はシステムとして一巡しました。今は激動の時代です。これからシステムを変更する創意工夫が行われるかどうか、私立との闘いはこれからですね」
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