第1回21会カンファレンス 新しい教育/新しい市場
☆今週5月31日(金)、富士見丘学園で、第1回21会カンファレンスが行われる。光栄なことに事務局を仰せつかって、参加者募集、運営、カンファレンス構成をサポートさせていただいているが、とにもかくにも勉強になる。実におもしろい。
※19世紀末。ここに≪私学の系譜≫のルーツがある。教育と経済の原点。
☆吉田先生、高橋先生、平方先生、渡辺先生、中川先生、長塚先生、平先生といえば、日本も含め世界の教育事情・教育政策に精通しているし、大橋先生、石川先生、江川先生といえば、21世紀型教育実践と新市場形成のリーダーである。
☆大島先生、白鶯先生、品田先生、本橋先生、窪田先生は、21世紀型授業に挑戦。しかも相互にコラボしながら。このコラボしながらというのが、なんといっても21世紀型教育なのである。
☆それに教育の最前線で活躍している民間の方々のサポートも強烈である。
☆参加者定員は、あっという間に当初の枠をはみ出し、会場デザインを変更したぐらいだし、運営もあっという間に協力体制ができた。そしてカンファレンスコンテンツも、クラウド上で(何せ海外出張する先生方も多いので)やメールでやりとりをしつつ、夜中に集まってミーティングをしたり。
☆そして、この1週間、政財官の新たなグローバル人材育成政策のリリースも矢継ぎ早だった。21会の先生方もそのミーティングに参加して情報をゲットしているし、だいいち吉田先生は中教審のメンバーである。
☆その政策と私学の教育の共通点と相違点を明確にしながら、公立教育ではなかなか難しい本質的なところを、私学が引き受ける使命感を持っている。
☆私もストラスブール大学で、CEFRを活用している学生やシンクタンクのスタッフに話を聴いてきた。グローバル教育のベースは、テクニカルな面だけではなく、やはり21会私立学校のようなリベラルアーツ的基盤がないと難しいと確信して帰国した。
☆政財官学の教育政策は、どうしても経済的側面に偏りがち。昨日のニュースで話題になった経産省と元東大総長らの原発誘導疑惑を想起すると、心配にならないわけにはいかないが、経済の活性化は無視できない。
☆その点21会の21世紀型教育は、新市場の形成という意味でも経済的側面を無視しないし、やはり19世紀末の啓蒙思想や数学哲学思想に基づいた民主主義や人権の問題もリベラルアーツとして建学の精神に内包している。
☆21会の21世紀型教育には、そういう意味でwin-lose市場(優勝劣敗型市場)からwin-win市場(自然秩序型市場)へシフトする兆しがあるし、20世紀型教育環境から21世紀型学びの環境へ大きく転換する兆しがある。
☆教育はただ教育の中に内閉していたのでは、未来の人材を育成することはできない。この点公立学校は大きな限界がある。教育に経済は無用であるという発想を、実際にどこでぶち破ることができるのだろうか?
☆教育と経済をリンクさせるなんて、米国的だ。欧州では中等教育から大学まで無料のケースがたくさんあるではないかと反論されるかもしれない。
☆それはたしかにテクニカルにはそうだ。しかし、基本的にまず税金に対する議論があるかないか、大きく違う。極端な話、欧州では税金は保険に近い概念だ。それに都市経済の考え方も根本的に違う。
☆日本の場合は、お上が税金を神のごとく当たり前に徴収し、都市経済も市民が創るなどという発想はない。
☆3・11のときに瞬間そういう発想が議論になったが、そうでないことはこの間のテレビを見ていれば明白だろう。
☆それにアーサー王物語やハリーポッター、ネバーエンディングストリー、モモ、グリム兄弟の存在は、物語論として成立するだけではなく、自然秩序型経済論も内包している。これは利益奪取型市場とは違う。
☆≪私学の系譜≫としての経済論も、渋沢栄一の「論語と算盤」に代表されるように、自然秩序型経済論もあるのである。
☆しかし、現在の日本は、そんな経済論には無関心だ。
☆それゆえ、日本の私立学校の存在意義が歴史的にあるのである。
☆教育は、社会や政治、経済のパラダイムの転換という基盤の上に立っている。21世紀型教育も、テクニカルには、公立学校も私立学校も似ていようとも、冷戦前のパラダイムに立っているか、冷戦終焉後に再帰した19世紀末の近代の夢のパラダイムに立っているかによって相違が出てくる。
☆この不易流行パラダイムを基盤とした21世紀型教育を21会が今後どのように展開していくのか、まずはそのスタートが5月31日にきられるのである。
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