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21世紀型教育先進校 聖学院のLearning Treasure Within

21世紀型教育の道は多肢にわたる。その中で、もともとの21世紀型教育の出発点から展開しているのは聖学院

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☆1989年というと、20世紀型社会のビジョンが崩壊し、21世紀型社会へ大きく変わろうとしていたエポック。価値の大転換、パワーシフト、パラダイムチェンジ、パラダイムシフトなどなどの言葉があふれた。

☆同時にIT革命の波が金融工学を屹立させた。未来志向の夢が広がった時代だ。

☆しかし、すぐにバブルは崩壊し、9.11も迎え、原発問題も広がり、環境問題、人口問題、格差社会、BRICsの台頭と揺らぎなどなど、20世紀に水面下で起こっていた問題が噴出し、経済のグローバリゼーションと危機のグローバリゼーションはセットになった。

☆そういう深刻な物質と精神の崩壊を防ぐべく誕生したのが、ユネスコ「21世紀教育国際委員会」。そのレポートが96年に出版された。

☆したがって、わたしたちの国の政財官学が、新自由主義やアベノミクスを背景にした21世紀スキルとは、ユネスコの21世紀型教育はちょっと違う。

☆聖学院は、この21世紀スキルを道具として包括しながらも、ユネスコの流れの21世紀型教育を行っている。その典型的なプログラムはタイ研修であるが、これは有志によるプログラムである。

☆やはり教育は授業で生徒全員にインパクトを与えねばならない。研修や部活はその発展であるから、ボランティア精神で教師や生徒がやるのは構わない。しかし、授業が20世紀型で研修や部活だけが21世紀型では、本末転倒。しかし、実際はそういう学校が多勢を占めている。

☆そんな中、聖学院は授業の中に21世紀型教育を繰り広げている。たとえば、L.L.T.という授業。『Learn Live Together』 の略で、 共に学び、共に生きるという聖学院の学びの精神が凝縮された授業であるが、このLLT自体は、ユネスコの上記のレポートで展開されている学びの4本の柱の1つである。その4本とは、

知ることを学ぶ(learning to know)
為すことを学ぶ(learning to do)
共に生きることを学ぶ(learning to live together)
人間として生きることを学ぶ(learning to be)

☆コンセプトだけがユネスコ流儀の21世紀型教育ではない。プログラム自体がそうである。

☆つまり、講堂において、全体で話を聞き、教室に帰ってから意見交換やロールプレイ、プレゼンテーション、自分の考えを文章でまとめたりというPBL(プロジェクトベース学習)型の授業になっているのである。

☆米国の大学では、講義のあとゼミ形式で議論を深めるスタイルが多いが、そのスタイルだと思えばよいだろう。

☆このような授業は、いろいろな授業にも転移している。たとえば、高Ⅱの「現代の社会」という授業!この授業の方程式は、

授業「現代の社会」= 教師⇔生徒 + 生徒⇔生徒

☆と表現されている。遠慮がちな謙虚な聖学院の先生の性格が顕れている方程式である(微笑)。私だったら、和ではなく積にするのだが。ともあれ、次のような路線を着実に現実化している。

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☆ビジョンを確信的/革新的に共有してモチベーションが溢れれば、教師は創意工夫を繰り広げるものである。

☆聖学院のレゴを活用した新しい学びもすでに紹介しているし、これらの21世紀型教育を学校の顔として表現しきっているのが、入試の中に設置している「思考力テスト」であり、その準備のために毎回説明会ごとに行われている「思考力セミナー」である。

第1回21会カンファレンスで、同学院の数学科主任本橋先生が、自ら創った2分間のムービーでプレゼンテーションする予定である。

☆21世紀型教育先進校聖学院の学びの秘宝Learning Treasure Withinを探しに行こうではないか。

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