近藤会長 「私立と公立の教育の質の違い」語る<3>
☆保護者の記憶にも新しい「大津のいじめの事件」について触れた。
「あの事件に対する校長の記者会見を見て、不思議だなあと思ったことがあります。校長は教育委員会にききながらでなければ応えられない。事実関係についてさえすらすら自分で語ることができない。いじめかもしれないという問題になったときに、5人の先生がこれはいじめではないと判定したから、そのまま放置していた。そのような報道をみて、私立学校では考えられないことだと思いました。
たとえば、自分の学校の例を言えば、私は携帯電話を寝るときも離しません。何が起こるかわからないのが、人間の生活です。もし生徒に何かがあったら、先生方が相談してから私に連絡してくるということはないですね。とにかくすぐに私に連絡がはいるようになっています。最終的には私に責任があるのです。先生方に勝手に判断させて治めさせるということはしません。私立学校は学校が責任をとるんです。校長が責任をとるんです。先生がたにとらせることはないのです。ここが私立学校と公立学校の大きな違いです。」
☆これは組織として重要なマネジメントである。オープンである雰囲気は確かに大事であるが、責任を組織がとるという信頼関係がなければ、どんなにオープンマインドでといっても、自分が責任をとらされると思えば、事件を隠ぺいする行動に出るだろう。その危険性が今の公立と教育委員会の関係にはある。それがとても残念だしくやしいけれど、一人の生徒の尊い生命を守れなかったという結果になったと、近藤先生はいじめ問題について、協会会長として現場の校長として、憂いた。もちろん、私立学校にもいじめはある。しかし大事なことは、いじめが起きたときの私立学校の責任ある対応なのであると語った。
「体罰はあっちゃいけない。体罰で部活が強くなるなんていうことはない。しかし、もしもメンバーにチームに大きな迷惑をかける生徒がいたら、すぐに警察を呼べばよいのでしょうか。あるいは反省しろよと言ったからそれでよいという問題でしょうか。たとえば、正座させて反省を促し、自分の行為をただすまでを解決するということだと思います。しかし、先日文科省では正座を一時間させることは苦痛がともなうからダメだなどという議論がでた。この区分けは難しいですから、制度的にはこれからですが、反省させるのにきちんとした姿勢をとらせることは片方では大事な教育です。
この区分けの難しさとこの間のバスケット部員を40発殴ったという問題はまったく別問題ですよ。それは体罰ではなく、暴力です。これを周りの先生も知っていて放置するなあなあの関係があったというのが問題です。私立学校では、そんな先生は間違いなく懲戒解雇でしょうね。それに周りの先生方も、まずいのじゃないかとすぐに止めに入るでしょう。これが私立学校ですよ。同時にすぐに校長に連絡がはいる。素早いですよ。生徒を守ることが第一だからです。私立学校の教員の間では、仕事は厳しく、職場は和気あいあいとというのが定説になっています」
☆「生徒を守る」という響きには、保護者はグッときた。私立学校には責任感があるということが明快に宣言された瞬間だった。
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