« 学校選択の季節 <3> | トップページ | かえつ有明 オープンキャンパス »

学校選択の季節 <4>

☆大学合格力をA能力、未来への才能開花の能力をB能力とした場合、麻布や開成、武蔵、桜蔭、JGというのは、AもBも閾値に達している。

21

☆しかし、これは学校当局がこの閾値に達するプログラムを創っているのかというと、そういうわけではない。地頭ある生徒が入学してくるから、結果的にそうなっているし、そういう生徒がはいってくるから、一部の授業は最高におもしろい授業になっているが、両方の能力を閾値に達成させるためのプログラムがあるのはなく、閾値に達した生徒と知的好奇心を増幅させる授業ができるということだけだ。

☆だから、このタイプの学校を選んでも、受験学力だけで入学すると苦労する。才能開花については、自己責任であるからだ。

☆したがって、小学校6年の段階で受験学力だけで精一杯の場合は、おもいきって、才能開花の機会がある学校を選ぶのも一つの考え方である。たとえば、そのような女子が豊島岡を選んだとしよう、才能が開花しない普通の賢い女性に育ってしまう可能性が大である。

☆そういう場合、鴎友学園女子や洗足学園を選択すると、才能開花の土壌のうえに、大学合格力も身につくのである。

☆男子の場合は、サレジオ学院ではなく桐光を選択すると才能開花の可能性は大きくなる。巣鴨あるいは攻玉社ではなく海城あるいは芝という選択も同構造である。

☆もし中学段階で受験学力が今一歩伸び悩んでいるという場合はどうしたらよいのか。能力とは複合的だ。今はわかりやすくするために、二項で考えているが、本当は多項である。したがって、受験学力以外の能力開花のプログラムが多様な学校を選ぶのをおススメする。

21_2☆21世紀型教育を標榜したばかりの学校は、受験学力以外の能力開発のプログラムが優先しているだけであり、ここから先は、受験学力の能力も閾値に達するのである。それは鴎友学園女子が、創造的能力を開発することを優先して、受験学力も結果的に伸びたのと同じことが起こるのである。

☆ただし、鴎友学園女子はここまで来るのに時間がだいぶかかった。なぜかというと、当時はやはり読書プログラムが最優先していたと思う。だからアクティブラーニング系のプログラムの導入が遅かったのだと思う。成長をじっくり待つ教育として、その成果は十分に証明されたが、現代は加速度的に変化しているので、やはりプラグマティックにプログラム化が必要である。

☆洗足の場合、このプログラムは、帰国生クラスや留学チャンスを活用した。今では自前で編集できるが、20世紀末はまだ外部のプログラムとジョイントしていた。だから鴎友学園女子より進化は加速したが、それでも今では遅い。

☆やはり、内部の力で開発できたうえで、外部ともリンクするというのが加速する条件である。そういう意味では、かえつ有明や聖学院は、自前でPBL授業やPIL授業を行える。実際かえつ有明の場合は、両方の能力が閾値に達するところまですぐそこである。

☆聖学院はまもなく化けるだろう。富士見丘は哲学授業を開始した。今後大きく化けるだろう。

☆同じビジョンを共有している各21会校も同じように大いに化けるだろう。

☆さて、PBLやPILは、しかし最終的には「CEFR」という思考力を自己評価できるエンパワメントシステムを内包しなければならないが、そこに気づいているのは、聖学院。それ以外は、まだまだだし、まして、20.5型や20.0型の学校の場合は、まったくその視点を持っていない。

☆この「 CEFR」の視点を有しない限り、21世紀型教育と言っていても、まだまだ世界に通用しない。スーパースクールになるには、ここをクリアすることが必要である。徐々にという考えもあるが、時間はもうない。

☆それゆえ、この「CEFR」の視点を持っている教育産業が、第1回21会カンファレンスに集まってきているのは、歴史的必然性だと思う。

☆軽井沢のインターナショナルスクールのようにエスタブリッシュだけが21世紀型教育の恩恵に浴するのではなく、市民に開かれた21世紀型教育市場を創出する時代こそが世界市民の本物の多様性という話だろう。

|

« 学校選択の季節 <3> | トップページ | かえつ有明 オープンキャンパス »

学校選択」カテゴリの記事