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今なぜ企業はリベラルアーツか?

☆ストラスブールの駅が大きいかどうかは、日本人の感覚では判断しにくいところがあるが、コルマールの駅が小さいことは確かだ。その駅のキヨスクにこんなシーンがある。

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☆写真ではわかりにくいが、この哲学雑誌が、コーナーにチョコンとある。もちろん、このルモンドによるエディションシリーズには、サイエンスや歴史もある。

☆日本でも、ニュートンのように、同じような雑誌があるけれど、キヨスクでこれほどラインナップを揃えてということはないだろう。

☆ストラスブール大学の学生に聞いてみたら、当たり前のことだし、誰でも学問をやろうと思えば、大学で学べるからと。だから、ストラスブールの駅でチケットを買おうとしたら、行列ができるのだ。

☆米国の旅行客など、イライライしている。何をそんなにチケット購入に時間がかかるんのだろうと、これも友人に聞いてみると、特にチケットのことに関してではないと思いますよ。ひとしきり会話が終わってから、購入の段取りにはいっているのでしょうと、ニコリ。

☆3人がチケットを買い終わっても、まだおしゃべりが続いているブース。行列はできるばかり、あのブースはできれば避けたいと思っていたが、今度は、もう一方のブースで話が盛り上がり、ついに避けたいと思っていたブースに私の番が巡ってきた。用意周到に時間割に赤ボールペンで丸で囲んで、この電車に乗りたいと頼んだら、それを眺めるコト数分。

☆そして、おもむろに「ノン」。エッ!この電車がなくなったのかあ。約束に間に合わないなあ。と弱っていると、そうじゃないと、パソコンの画面を見せて、どの時間の電車にするのか、選べと。

☆だから、そのリストの中から選んで、時間割に赤で印をつけたのが、これだよと。いやいやそっちじゃなくて画面の中からと。

☆これかあ!画面と紙の同一性の話をしても行列は増すばかりだから、軍門に下って、指で示した。するとニッコリ笑って、すみやかにチケットは購入できた。

☆市民が哲学を語るとはこういうことかと爽やかな気分で?ホームに向かった。すると、また当然ながら、目の前にきている電車が行先にいくのかどか表示がない。確認をしなければと思うのだがどこにもない。

☆しようがないから聞きたいが、ここでまた時間が経つと、2時間に一本の電車だ、乗り遅れてはたいへんと躊躇。しかし、ともかくやむを得ずと聞いてみると、「ウイ」とあっさり、今度は本当かあ?、こっちの下手な英語が通じてなかったらどうしようと不安。

☆2時間に一本だから、同じ目的地へ向かうフランスの友人がちょうどやってきた。笑いながら、大丈夫と。

☆友人関係を会話によってつなげておくことが、物質的にも精神的にもビジネスにおいても重要であると改めて実感。

☆効率性が当たり前という自分がいるのに愕然としたが、哲学とはどうも雑誌にではなく、この日常の会話のなかにある。キヨスクに配列された哲学雑誌はそのメタファに過ぎないのだろう。

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