第1回21会カンファレンス解題③
☆このこと自体は21世紀型市場で活躍されている保護者からの支持を得られるし、2015年に向けて日本社会の教育もマインドセットしている。問題はどのような具体的活動の展開をするかということ。
☆そこで、思考力テストによって、才能ある生徒に入学してもらい、PIL型授業×PBL型学びで更なる才能の開花と深まりを実現する学びのデザインをしようと。そうなれば、国内外問わず、find a job型進路ではなくinvent a job型進路に自ずと進むであろうと。
☆このプレゼンに対して、自分たちの学校に比べてはるかに先をいっていると感嘆された参加者、自分のところが最先端だったと思っていたけれど、いつの間にかぬかれていると感想を言ってくださった参加者がいた。
☆一方、まだそれぞれの学校で行われている実践例にすぎず、どこが世界標準なのだろう、グローバルスタンダードなのかとコメントされた参加者もいた。
☆なるほど、そこまではカンファレンスでは解題していなかったのは確かである。21会校は、21会協力団体の一つイノベーティブティーチャーズ学会とその分科会新しい評価研究会の場で、新しい学びと新しい評価についてリサーチさせていただいている。
☆また、CEEJA(アルザス・欧州日本学研究所)の徳江純子先生と情報交換をさせて頂いている。CEEJAは国際交流基金の日本語教育のセミナーなどを協力・支援もしているEUの学術拠点。ストラスブール大学とも全面的に協力している。実際、徳江先生は同大学で日本の古典の教鞭をとっている。
☆CEEJAからは主にCEFRについて対話をさせて頂いている。この間もストラスブールの日本学研究をしている大学院生からCEFRのポートフォリオの仕掛けについて教えてもらった。
☆新しい評価研究会では、聖学院の先生方もCEFRやプロジェクトマネジメントで活用しているルーブリックの手法を紹介してくれているし、かえつ有明の山田先生からは、米国のタキソノミーや図書館情報学のBig6の手法が紹介されている。私の方からはスタンフォード大学のフェッターマン教授のエンパワーメント評価やストラスブール大学のCEFRの話を提供させていただいている。
☆そして、西武文理の金井先生と佐野先生が開発した新しいプログラムを各校で実施し、いろいろな評価を試行錯誤/思考錯誤しているところである。
☆この評価基準の追求の一部は、すでにPISAやTOEFL、NHK英語講座で適応されているものもあり、おそらく21会校メンバーは相当根っこの部分でリサーチをして実験をしていることと思う。グローバルスタンダードの最前線にいるのでご安心を。
☆また、かえつ有明の「サイエンス科」授業や「TOK型」授業は、米国の認知科学の成果である「タキソノミー」や英国のAレベルテスト準備のためのクリティカルシンキングの手法を導入している。
☆一方富士見丘学園の大島先生の「哲学教室」は、米国の中学生のための哲学の授業やフランスのバカロレアの科目「哲学」が基盤になっている。大島先生とは、ボームの「対話について」や上田氏と中原氏の共著「プレイフルラーニング」など読書会(というよりそれを肴にしただけかもしれないが)をしてきた。
☆かくして、21会メンバーが取り組んだ具体的な実践の背景には、根っこの部分まで降りて対話をした痕跡があるのである。この対話こそボームに拠れば、言葉を通して考えるコトそのものである。
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