土浦日本大学中等教育学校 ケンブリッジ、ハーバードにつながる授業
☆6月9日土浦日本大学中等教育学校で、オープンスクールが開催された。そこで展開された授業のうち、科学の授業について、21会の海外帰国生教育研究家の鈴木氏が記事を書いている。
☆鈴木氏の記事をベースに科学の授業の構造をマッピングしてみた。以前同校校長の中川先生の哲学授業「根っこをつくる 未来授業」を取材したときにつくったマッピングに重ねてみたのだ。
☆すると、驚いたことに、すんなり重なった。つまり、扱う素材は違うが、その素材を分析・整理・解釈・検証・編集する知の構造が同じであるということが証明されたのである。
☆これは何を意味するのだろうか。一般の日本の初等中等教育レベルでは、この意味はわからない。したがって、土浦日大中等教育学校の高次レベルの教育について理解ができなかったと思う。
☆しかし、世はグローバル人材育成時代。学習指導要領もそのように変化していく構想が政府官僚からリリースされる昨今である。ようやく土浦日本大学中等教育学校の教育の質がわかる時代がやってきたのだ。
☆これはどういうことかというと、特に2018年から高2・高3で大学入試版「到達度テスト」を実施するという話題が浮上して明らかになったことだが、イギリスのAレベル制度、国際バカロレア(IB)のディプロマレベル、米国のAPコースレベルの特別カリキュラムを日本も200校くらいには埋め込んでいくということなのである。
☆このレベルには必ず哲学授業がある。Aレベルでは、Thinking about thinking、IBには、Theory of Knowledge、米国には、こういう言い方は公式にはないが、Interface of Intelligenceを目標にしている学びがあるのである。
☆これらは、各教科共通の学びや知の共通構造について学ぶフィールドである。こうして米国の認知科学的には、各教科に暗黙知として埋め込まれていたメタ認知の構造が見える化されることになる。
☆そしてこの知の構造というハイヤーオーダーシンキングにオリジナリティが融合されることによって、このセンターには生徒1人ひとりが位置づけられるというのがIBのTOKの発想であり、それは欧米のリベラルアーツでは当たり前のアイデアでもある。
☆ところが、日本は現段階では、ここは中空であるし、はいってもすぐに教師が居座ろうとする。2018年の日本の教育行政の構想がうまくいかないのではないかという懸念の本音はここにある。
☆それはともかく、Aレベルなどのグローバルスタンダードに合わせて、このメタ認知や知の構造のテーマに取り組んでいる中高一貫校は、筑駒、麻布、武蔵であり、開成も今模索中である。そして、もちろん21会校もすでに思考力型テストという形で入学試験で開陳している。
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