富士見丘の理数教育×5×2 [02]
☆最近理科教育といえば、白衣とメガネと顕微鏡だが、それは実験の必要道具で、科学的ものの見方とは直接関係ない。しかし、車もエンジンよりもデザインで売れると言われているから、学校選択も例外ではないということだろう。
☆今回選ばれた実験は、光合成で光エネルギーを吸収している葉緑体に、その光を見えるようにしようという実験。この実験自体は既存のものであるが、大事なことは自然の化学反応過程をいかにしたら見える化できるのか、その仕掛けを体験するところ。
☆実験というとリアルなものだと思うだろうが、実はリアルには見えないものをどうやったら間接的に見える化できるのか検証するところに醍醐味がある。
☆私たちは光を直接見ることはできないが、プリズムや水の入った容器で光を間接的に見ることができる。
☆太陽もそうだ。直接見ると網膜が焼き切れる。強いX線でがん細胞を焼き切ろうとすると、健全な細胞も傷つけてしまう。さてどうするのかなど、常にブラックボックスを検証していく思考力が科学の基礎である。それを授業体験で伝えていたのである。
☆算数がまたおもしろかった。素材はタングラム。正方形をいくつかのパーツの図形に切る。それを組み替えて長方形をつくる。
☆すると、面積まで変わってしまう。それを実際にはさみで切って、長方形をつくるlearning by makingの手法を使うところがおもしろいのだ。
☆リアルに自分の手で作ったから、確かなはずなのに、それが違う結果になってしまった。
☆説明会で、富士見丘には、うまく表現できないもどかしさを体験することによって、解決したいというモチベーションを生む教育の仕掛けがあると言われたが、まさにこれがそれだと合点がいった。
☆疑問が自然に生まれざるをえないハイクオリティの問いかけをつくることができる教師の存在が、富士見丘の理数教育の根っこにあると実感した。
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