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富士見丘 憧れの「最近接発達領域5×2」

☆富士見丘の教育は4本の柱(グローバル教育・5×2・科目選択・特別講座)が相互にリンクして相乗効果をあげている。もちろん、この効果とは、日々教育の質が向上することを意味するのであるが、最重要なことは生徒1人ひとりがオリジナリティをもって大きく成長することなのである。

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富士見丘中学「資料集2014」から

☆どういうことかというと、資料集の図をご覧いただけば、わかるように、綿密な6年間一貫の教育プログラムが仕掛けられていることわかると思うが、さりげなく「自主研究5×2(問題設定能力の養成)というプログラムも挿入されているのに気づいただろうか。

☆図になると一見間口が狭いが、実は奥行きが深い。ここは、他のプログラムと決定的に違う次元。他のプログラムも極めて面倒見がよいのだが、それは基礎→応用→発展(以降A→B→C)という段階については、テキストやプリント、カリキュラムが設定している。

☆これについては日本の教育はすべて同じであり、誰も疑いももたないだろう。富士見丘がこのようなプログラムで面倒見がよいのは、AからBにあるいはBからCに飛べるように、教師がスモールステップ問題を設定する目配り力があるということなのである。

☆本来、この段階ですでに十分な教育の質を有している。多くの学校が、このスモールステップを教師が作れず、結局AからBに飛べない生徒に対し、A問題の量を増やして、確実にしてからBに飛ばそうという指導をする。量をやれば、いずれ飛べるだろうと。

☆だから教師も生徒も労多くして、成果は小さい。落ちこぼれがたくさんでる。新学習指導要領も本来そうしないために構成主義的学習観で臨んでいるが、実際には量が圧倒しているだけ。公立学校の現場は途方に暮れるばかりだ。

☆いかに富士見丘の教育が充実しているか、この段階で明らかであるが、もっとすごいのが自調自学の自主研究「5×2」なのである。これは、A→B→Cという問題設定を自分でできるようにするプログラムなのである。

☆生徒によっては、プログラムによって与えられたBの問題はAかもしれないし、Cかもしれない。その場合、A、B、Cのレベル設定を変えなければ、いくらスモールステップの問題を解いても、飛躍ができないのである。

☆AからBへ、BからCへという学びの壁を乗り越えるには、その生徒にとって何がAで何がBで何がCかメニューを作らねばならないのである。そして、それは自分でマネジメントできなければ、大学や社会に出たときに、今度は誰も教えてくれないのだから、研究や仕事のノルマをこなしきれないだろう。

☆この生徒1人ひとりが自分の問題設定ができるようになるサポートをするプログラムが「5×2」なのである。月曜日から金曜日は、教師から設定されたスモールステップをクリアしながら学力をつけていく。土曜日と日曜日は、そのスモールステップが、自分にとってスモールなのかどうか、Bレベルが自分とってBレベルなのか自調自学する時間なのである。

☆ある卒業生(SFC進学)に話を聞いたのだが、全国でも大活躍しているテニス部で心身を鍛えながら、日曜は6時間以上机に向かっていたという。それができたのは問題設定が人から与えられるのではなく。自分で自分に与えられるようになっていたからだと。つまり自調自学ということ。

☆さて、このように、問題を理解するヒントが生徒1人ひとりによって違うのだが、その1人ひとりのヒントの問題領域を「最近接発達領域」と構成主義的学習理論では呼んでいる。

☆そして、先述したように、この領域を公立学校は言うに及ばず、私立学校でも、実際には見つけられないのが一般的なのである。なぜなら一斉講義形式という20世紀型教育は、そもそも「最近接発達領域」なるものは認めない。偏差値否定につながるからだ。模擬試験会社が与えた偏差値は客観的だと思われている。もし「最近接発達領域」を認めると、同じ偏差値でも人によって違うんだよねでは主観的になってしまい矛盾が生じるからだ。

☆しかし、同じ偏差値スコアの生徒も、学力は全然違うのであるということに気づいて、そこをきちんと指導している学校や塾の教師もいる。「最近接発達領域」に無意識に気づいているわけだが、学校全体が取り組むプログラムになっているのは、少ない。その中でも富士見丘の5×2と麻布の論集、桐光の論集テオリアは、群を抜いている。

☆MITメディアラボやハーバードの学習理論「プレイフルラーニング」の関係者のなかでは、この領域を「憧れの最近接発達領域」と呼んでいるほどである。富士見丘は世界の最先端の教育をすでに20世紀末から実践していたのである。ここにこそ富士見丘のグローバル教育の基盤があるのだ。

☆7月15日、子どもの未来の学校選択のために、富士見丘の説明会と授業・部活体験に参加しようではないか。

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