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週刊東洋経済7・6 エリート教育とお金 必見!(10)

☆さて、紹介された私学のポジショニングを考えてみよう。

☆渋谷教育学園幕張は、短期間で、東大も海外の大学もたくさん輩出するようになったお得な学校のロールモデルという位置づけ。

☆グローバル時代に勝ち残るには、教育理念も武蔵からゲットというなりふり構わないタフな意志が必要である。「自調自考」は今も昔も武蔵の教育理念である。この意志のもと、時代を先取りして、日本がどうなってもウチはこれから50~60年は大丈夫だと自負するのだと。

☆そして、この渋谷教育学園幕張のロールモデルに従うならば、佼成学園女子もその可能性は高いというつながり。

☆両校の共通点は、英語を中1から勉強しはじめた生徒が海外の大学に合格できるシステムをつくりあげているところ。もちろん、佼成学園女子はこれからだが、「英語の佼成学園女子」が積み上げてきた生徒の飛躍的な学力伸長とその成果に注目すれば、渋谷教育学園幕張のようになるのではないかという予測が成り立つのではないかという筋である。

☆こうして「英語の佼成学園女子」から「留学の佼成学園女子」にパラダイムシフトするのであると。

☆一方、加藤学園暁秀は、国際バカロレアの認定を初めて受けた学校として、必ずしも順風満帆ではないケースとして取り上げられている。それは、「バイリンガルコースでは、日本の大学受験に間に合わないこと」と明快に問題点が述べられているところに表れている。

☆日本の受験文化とグローバル教育とのギャップをいかに解決するのかということである。

☆渋谷教育学園幕張も佼成学園女子も、そこはIBを導入することなく、自前で積み上げているために、初めからそのギャップは織り込み済みで、そこがもしかしたらうまくいく要諦なのかもしれないという雰囲気も間接的なメッセージとなっているのかもしれない。

☆というのも日本語IB導入をめぐる昨今の学校の取材を、東洋経済もしているはずだから、そこで同じ疑問がどこの学校でもでているので、その解答のヒントを提供している可能性がある。取材は読み手のにニーズを掘り当てるリサーチの機能も果たしているのが当たり前だからである。

☆このニーズに応える記事が掲載されているから販売部数も増えるわけである。

☆それはともかく、豊島岡女子は、完全に東大志向の学校であるというポジショニングという編集。「進学校の大きな問題点といえば燃え尽き症候群だ」という発想が記事の中にある。

☆これは子どもの権利条約違反ではないか?燃え尽き症候群?そのレッテル張りはよくない。燃え尽きるのではなく、また同じことをやるのかという諦念感だろう。子どものせいにするな!

☆その諦念を、きみたちは燃え尽き症候群だから、再点火してあげるねというレトリックは、子どもをなんだと思っているのか?腹立たしい。

☆思春期時代、いろいろ悩むし反発もする。それを運針で心を静めさせ、再点火して、また受験準備に邁進させる。グローバル時代を共にいきる時代としてとらえることのない学校として位置づける東洋経済の戦略的編集には驚愕。

☆しかし、もっとすごいのは、広尾と日本女子大のポジショニング。東大志向でも国際志向でもない記事になっている。なぜ?

☆本当は広尾で1ページ費やしたかったのだろうが、取材途中でそれができなくなった。たしかにグローバル時代は「理系女子」と言われはするが、そんなことを世界で語ったら、ハラスメントだろう。やはり、まだまだ日本は男尊女卑のある未成熟な民主主義国家であると。

☆日本女子は女子校だから、理系もがんばっていますは自然であるが、それだけになぜこのテーマでそこ?という疑問が残る。たしかに歴史をたどれば、ザ私学人渋沢栄一が、東洋経済にかかわっていたことがあるから、困ったときの日本女子なのかもしれないが。

☆もともとは、広尾の医進・サイエンスコースとインターナショナルクラスの両方を記事にする予定だったのに、何かがあって間に合わなくなったのだろう。それで無理やり理系つながりで日本女子。ちょうど両校とも顕微鏡1人一台の環境あるし、エーイそうしようということになったのではないか。もちろん、私の妄想である。

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