かえつ有明 説明会で盤石な教育への自信と揺らぎ 戦闘モードへ[3]
☆今回は、国際教養のプログラムやサイエンス科の話は前面には出なかった。しかも、ものすごいアクロバティックなのは、来春から「思考力テスト」という表記で行う試験の対策講座を、わざわざ昨年まで行われていた用語「作文入試対策講座」という表記を使い、思考力を問う作文入試と口頭で説明した。ここまで徹底して、21世紀型教育を背景に、つまり「地」に位置づけた。
☆しかし、上記第1象限で、一気に「地」と「図」が反転した。そのインパクトは、75%の20世紀型教育を支持している参加者にも波及し、瞬間的に共感を得た。
☆特に今回プレゼンをした生徒は、帰国生ではない。一般の受験生が4年間経ったときにこんなにも成長するのかと驚いたに違いない。これが渋谷教育幕張が叫んでいるノーブレス・オブリージュかあと。
☆かえつ有明は、ケンブリッジにかえつホールを有しているから、そこを海外研修や修学旅行の拠点としている。そこで2週間の研修を体験した女子生徒が、プログラムで体験したプロセスを語ったが、スピーチは自然体だし、シークエンスは、観客を惹きつける好奇心に満ちた体験、そして物語の作り方のセオリーである、困難の話。そして当然それをどうやって乗り越えたのか。自分が思い切って挑戦することで、新しい仲間が支援してくれたというオチが決まった。
☆イギリスのアーサー王物語以来続いているイギリスの物語の作り方(ハリポタもこのセオリー通り)の王道がきちんとスピーチに巧まれていた。もちろん、1つひとつの関門を用意するのは田中先生のファシリテーション。教師はコーチではなく、ファシリテーターが国際標準。このことは、まだ日本の教育ではメジャーではない。
☆それはともかく、話にはちゃんと蛇足がある。乗り越える勇気を与えてくれたのは、かえつの英語教育にあると。ここで英会話の訓練を受けたからとなるのかと思いきや、そうではない。英語のショートエッセイー(小論文)の指導を丁寧に受けた。パラグラフライティングやストーリーメーカーの話である。
☆そこがもう一つのオチだった。帰国生の英語の授業ではなく、一般生のための英語の授業も、大学受験英語を勉強するだけでの授業でないということを証明したのである。つまりショートエッセイの指導は、言うまでもなく、英語のスキルのみならず、自分のオリジナリティを見出すプロセスであるのだ。
☆よく大学受験英語をやらなければ、大学は合格できないという学校があるが、そういうところに限って実績がでていない。かえつ有明は、両方やるのである。その実績がよいことは言うまでもない。
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