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聖徳学園の先見性[2]

☆前回ご紹介した教育マップは、シンプルな6年間のプランであるが、生徒の発達段階をサポートするものになっているのはおわかりだろう。

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☆学習指導・国際性・キャリア教育・創造性という4本の柱に沿って細分化されているが、実は3年生・4年生の段階では、この4本の柱は、並行進化するのではなく、DNAのようにループを描くように設定されている。

☆1年・2年は、まずは自分を中心に土台を築く。しかし、自己が他者や世界、自然に開示され、かかわりをもち、それゆえ葛藤や苦悶が怒涛のごとく訪れる思春期3年生・4年生の段階では、そのかかわりを中心に教育活動が設計されている。

☆そして自己と他者の統合の次に再び社会で活躍する自己の仕事や活動ができる環境をもとめてまっしぐらに進路に立ち臨むことができるようになっている。

☆さらに、さりげなく、学び方→興味→理解→考察→発信→挑戦という設定も、モチベーションの変容過程で、発達心理の応用が織り込まれている。学びは、結局は内発的モチベーションをいかに持続可能にしていくかということがカギで、今では当たり前のように語られるが、どこの組織でもこれが実に困難であるのも、またよく知られていることである。

☆国際性では完全に体験主義。どの学年も研修旅行が目白押しである。これはキャリア教育においても同様で、一朝一夕にはできない分厚い活動である。

☆この体験は、もちろん観光旅行ではない。フィールドワーク、インタビューなどのリサーチが中心である。

☆このリサーチしてきたものを分析し、自由研究という生涯の学びの準備が「創造性」を養うプランに位置づけられている。

☆紙面上は、シンプルであるが、1つひとつの教育活動は、複雑だし、豊かである。そして、このプラン以外に、実は同じ体裁のプランが二つある。それは生徒指導と教科指導のプランである。

☆「教育プラン」と「生徒指導」「教科指導」のプランがどのような関係になっているのか、にわかに判断はつかないが、密に関係し合い、関係総体の教育になっていることは確かである。

☆20世紀型教育が要素還元主義であったのに対し、21世紀型教育は関係総体主義、学習指導要領的には社会的構成主義であるといわれている。聖徳学園は、20年以上前に、21世紀型教育の確立にむけて、着々と積み上げてきたのである。もちろん、紆余曲折、試行錯誤はあっただろう。

☆大事なことは、先生方がその都度検証してきたということである。それは毎年編集される先生方自身による論考なのであるが、それがいよいよ紀要という形で写真にあるような「聖徳論集」として創刊された。機は熟したという証である。

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