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「4・4・4」教育課程の都立一貫校、17年度に開校予定

☆日本経済新聞2013/8/22 12:06 によると、

東京都が設立を目指す小中高一貫校について、有識者による検討委員会は22日、12年間の教育カリキュラムを4年ごとに分ける「4・4・4制」を導入する案を都教育委員会に提出した。日本の科学技術の発展に貢献する理数系の人材育成が狙い。都内に校舎を新設するなどし、2017年度の開校を目指す。・・・・・・設置場所は小学1~4年までの課程は旧都立芸術高校跡地(目黒区)に新設。残りの8年は武蔵野市にある都立中高一貫校を改編する。

☆さまざまな特例が生まれている教育政策。4・4・4制についても、これまで言われてはきたが、実現するとなると、他の自治体のモデルケースになるだろう。

☆もっとも、理数系中心の小中高一貫がゆえに、たくさんできるとは思えないが、リベラルアーツの小中高一貫はありうる。広まるかもしれない。

☆メリット

・中学受験や高校受験に煩わされることなく、科学の探究への準備ができる。

・2018年前後から行わるらしい高2からの「到達度テスト」型大学入試の対策がしやすい。

・日本語IBのディプロマに接続しやすい。

・スーパーグローバルハイスクールに接続しやすい

・海外大学進学の準備がしやすい。

☆衝撃

・中学受験市場にダメージ。

・私立中高一貫校が、4・4制に転換できるかどうか。

・小5から中3から高2から編入型受験という新しい受験市場が激化。実際諸外国では、すでに4・4・4制はあったような気がするが、受験市場とは別のキャリアデザイン。

・もしこのような受験市場が生まれると、中2~高1に多い思春期の問題が分断されて解決されないまま。発達段階に適合するかどうかは未知。

☆こう考えていくと、この政策は、グローバル教育、イノベーション教育を高2・高3に集中させるための準備が高1までにできるようにするには何が最適かということを詰めて行った結果であり、本当のところは思春期や発達段階のことはあとづけということかも。

☆つまり、従来の高大連携がうまくいかないから、高次思考を高2・高3に集中しようということ。大学の改革を進めていく中で、逆算的に組み立てただけの話のような気がしないでもない。

☆英国のAレベル、IBのディプロマ、米国のAPは高次思考そのものだし、2007年に改正された学校教育法でも、高校から創造性には力を入れることになっていて、この考え方を法律上明文化し先取りしているのが日本の教育政策のしたたかなところ。

☆いずれにしても、今話題のグローバル教育、サイエンス教育、日本語IB、海外大学、留学、そして4・4・4制などの話は、「基礎知識×基礎思考」から「応用知識×高次思考」にシフトするグローバルスタンダードに向けての無意識の動き。

☆グローバル人材育成という外圧に対応することをいろいろな人がいろいろなところで考えているのだけれど、それらはこの大きなベクトルに包摂されている。

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☆今までは、「高次思考」とか知識と知識をリンクさせていく「応用知識」という概念が、日本の学習指導要領にはなかったから、「基礎知識」「基礎思考」の「基礎」の部分が隠されていた。

☆つまり「知識」と「思考」と表現され、「知識」が基礎で、「思考」が応用だとみなされてきた。それがグローバルスタンダードに合わせると、知の座標がまったく一致しないことに気づいて、大慌てになっているというのが、教育行政の舞台裏のお話しだろう。

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