ICT活用の授業への不安を解消するには?
☆2013年6月29日付読売新聞朝刊掲載記事「ICT導入進む教室」は、日本のICT導入教育の現状を明快に描いている。そして、次のような現場の先生方の不安を的確にとらえている。
「授業の進め方や教材の使い方ががらりと変わるだろうが、ノウハウがない」
☆タブレットを生徒全員がもち、そこで解答を描いていく。すると瞬間的に電子ボードやプロジェクターで、全画面に生徒の解答を集約できる。
☆それは凄いことに違いない。しかし、だからなんだのだろうという不安が現場にはある。
☆ここにどんなノウハウがあるのだろうか?
☆全画面に集約する意味は何か?
☆生徒はどのように誤答を正答に導くのか?
☆これらに回答がないのなら、今までの紙と鉛筆でいいじゃないか。
☆ああ、でもたしかにノートやワークシートを配ったり回収したりする手間は省ける。
☆エッ!効率性が優位っていうことなの?
☆教師は煩瑣な事務処理など教育以外に多忙な日々だから、効率が高くなることはいいことではないか?
☆事務的な手続きの効率性を高めるのは、大いに結構だけれど、教室に効率性を最優先順位で持ち込んでしまうの?
☆ウム。そうではない。ノウハウのコンセプトやビジョンが共有できれば、一発解決する。
☆エッ!そうなの?
☆そうなんだこれが、ビジョンがわかれば、ノウハウのスキル的なことは、YouTubeやサイトで山ほど情報を得ることができる。おそらく、セミナーや研修に行く時間があったら、これに時間をかけるほうが、有益だろう。
☆だって、以上の質問に回答できないあるいは刺激がないセミナーや研修は、何度足を運んでも有意義ではない。楽しいけれど不安が増幅するだけ。
☆だいたい、同紙が紹介している内田洋行(東京都)の「フューチャークラスルーム」でパフォーマンスをした同企業のシステムを導入した筑波大付属小学校の教師もそれを意識していないのだろう。
☆でもできてしまう。でも見ている他の教師はわからない。
☆本来このギャップを橋渡しするのが、同企業というICT教育コンサル会社の役目。つまり筑波大付属小学校の暗黙知を形式知化してあげるのが役目。ただ見える化しても、物質的商品ではなく、脳内プロセスの話だから、自動車会社のようにはいかない。
☆これが教育コンサルタント会社と物質的商品づくり会社の違いなのだが、まだまだそこは意識がされていないのが現状。
☆モノづくりは極めて重要であるが、ハードパワーとソフトパワーは同じモノづくりでも違う。前者は見える化、後者は形式知化で、モノづくりというよりコトづくり。
☆エッ~そんなの誰に訊けばわかるの?
☆それは、実は内田洋行も河合塾も知っているんだなこれが。
☆すでに、ハーバード大学のマズール教授のピアインストラクション型講義のワークショップを行っている。
☆このワークショップに参加すれば、形式知化されていることがわかる。
☆しかし、反転授業よろしく、次の本は熟読して参加しないと、それが見えない。形式知化が見える化と決定的に違うのは、構想メガネが必要なところ。見える化は、健全な五感のメガネを通して網膜スクリーンに映されるが、形式知化は、それをさらに再構成したり脱構築したりできる構想メガネが必要になる。
☆そして何より三宅なほみ教授の「変革的形成的評価の提案」の資料を読み込むこと^^)♪。
☆それでもわからなければ、ネットワークを生かして、大いに議論するということ。これである。
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