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高校・大学教育のバージョンアップ 教育再生実行会議

☆日本経済新聞2013/8/23 20:37によると、

政府の教育再生実行会議は23日会合を開き、高校・大学教育の今後の方向性を議論した。安倍晋三首相は冒頭で「大学入試を含めた教育プロセスをより良いものにしていく視点が不可欠だ」と述べた。9月に予定される次回会合では、高大接続や大学入試制度の見直しについて協議する。

☆今までも、大学受験と就活の悪循環が内向き志向をつくり、そこでラットレースが生まれ、精神を病み、才能を摘まれていく若者が多いことは問題になってきた。

☆それは団塊・断層世代の教養課程があった大学当時も同様だった。したがって、この話は、記事だけ読んでいるとピンとこない。

☆B層研究の適菜収さん的には、このB層をA層に回収する教育改革に過ぎないということになるかもしれないが、ともあれ、政財官学の矢継ぎ早のグローバル人材育成教育政策のニュースを見ていると、今回もその一環。

☆グローバル人材を増やすにはB層から募る以外にないのだが、そのためには、B層が高次思考ができるようにならなければならない。

☆そのために高校でIBを高大連携で英国のAレベルや米国のAPをモデルにしたデュアルエンロールメントをというこれも緊急に整備しなければならないというのが本音だろう。

☆こんなことはイノベーションではなく、A層お得意の諸外国の制度を導入してしまえば改革は簡単という明治以来の近代進歩史観の論理必然的な流れである。

☆今さら

「高校が大学入学の準備機関になっている。知育だけでなく芸術や文化などの主体的な活動を重視すべきだ」

「細分化し専門教育に偏りすぎている。リベラルアーツ(教養)教育を中心に据え、幅広い知識を持った社会人を育てるべきだ」

☆こんなことをということなのだが、実行できてこなかった。なぜか、高校と高大連携のカリキュラムが、大学準備ではなくイノベーション準備というコンセプトを受け入れるものでなかったからに過ぎない。

☆つまり、この記事の重要性は、カリキュラムやプログラム、授業のイノベーションを行うよという背景があるということ。

☆しかし、記事の表現ではそれは伝わらない。なぜかというと高次思考カリキュラムを留学生や帰国生以外に体験したことがないからである。

☆だから、今まで留学生のほとんどが国内で受け入れられず、多くの帰国生は海外体験をリセットするしかなかった。高次思考のプログラムは本気で研究されてこなかったことの証拠である。

☆しかし、グローバル人材育成が経済的側面から喫緊の課題になってしまった今、またも外圧によって、急激な変化を求められているのである。

☆B層からA層への回収戦略。残念ながら、うまくいく。近代の傷口は再び大きく開く一方である。

☆その傷口をなんとか縫ってきた≪私学の系譜≫。踏ん張りどころではある。

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