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本当の学校選択

☆最近母親の組織認識のセンスがとてもいいし、実際に企画編集で大活躍している方々もいる。中学受験の層の母の中には、経営者やコンサルタント、今までのように医者や学者も多くなった。

☆だから、塾や情報誌が公開している偏差値や大学進学実績のデータが、参考にはなるが、これだけではないということは百も承知なのである。

☆まして、塾の教室の責任者が、経験の浅い人材だと、データの扱い方では、母親たちに適わない。かつては父親には適わないというのは自明だったが、今では母親にも適わない。

☆実際に外の社会で、特に海外で活躍している母親は、次のような視点をちゃんと持っている。

①偏差値、大学進学実績は参考になるが、幸せ度や満足度とは別のものである。

②いじめやハラスメントは、外の世界では法律上の問題になるほどだから、そのような感覚がある学校かどうかは、教師の言動でチェックできる。

③校長はたんなるお飾りなのか、真のリーダーなのか、きちんと責任をもって決済しているのか、理事長や理事とはコミュニケーションをとっているのかをチェックできる。

④学校の決裁者は校長というより理事長であるから、理事長・校長が明快な理念やビジョンをもち、それが子どもの未来とシンクロするかどうかをチェックできる。

⑤教師の言動から、コミュニケーション不全症候群が学内に蔓延しているかどうかがチェックできる。

⑥経営のタテの構造と教育のヨコの構造が最適化されていて、いわゆる学びの組織になっているかどうかチェックできる。

⑦およそ伸びる企業の中では存在しない偏った人材、出来ない理由を見つける正当化自己防衛する人材、ネガティブな人材、コンプレックスが洞察だと勘違いしている人材が教師の言動を通しているかいないチェックできる。

⑧情報公開と情報保護のバランス感覚があるかどうか、責任転嫁するリーダーシップの欠如したサブカルチャーがあるかどうか、よいことをやっていればよいといって改革路線を絶とうとする文化があるかどうかなどをチェックできる。

☆逆に言えば、大学進学実績と偏差値を上げれば生徒は集まるのだと考えている学校を、上記のような視点を持っている保護者は選ばない。そこに集まってくる生徒の家族は、そういうチェックの網の目を持っていないということでもある。

☆本来塾や情報センターは、そういう選択の仕方を軌道修正するコトを促すのが使命のはずである。企業の質は、たんに合格者人数ではなく、どのような学校に合格させたかではないだろうか。

☆偏差値で合格させていると、勝ち組負け組がはっきりするだけで、受験業界としてもよいことはないはずだが。

☆ともあれ、価値中立の時代は終焉したのだ。多様性の中で均衡点を見つける時代だというのに、価値選択を画一化する偏差値に固執すること自体20世紀型である。

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