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工学院 思考力テスト開発 画期的(2)

☆工学院の思考力テストが画期的なところは、その背景にきちんと学習理論のリサーチの積み上げがあるということなのである。

Kothinking

☆日本の従来の教育現場は、公立私立問わず、学習理論は個々の教師の研修で終わっていた。これもまた特殊化主義で、一般化主義ではないので、学校全体で知の育成の取り組みができなかった。

☆だから、教室では教科書という氷山の一角である知識の山を伝えていたに過ぎない。その知識の山がどのような文脈や知識間のリンクをしているのか、その文脈のつなぎ方やリンクの構造について学習理論のビジョンは統一されてこなかった。

☆それゆえ、知識を記憶する以外に学びの理論を生徒自身が体得することはなかった。生徒も小さいなりに学習理論を我流で体験主義的に積み上げるしかなった。

☆だから、たまたま特殊化と一般化をいったりきたりできる生徒は才能者として、高学歴を獲得できた。

☆公立学校では、制度上、この学習理論を共有することは、実は難しい。なぜなら、それは思想であり、価値である部分も含んでいるから、公立は思想や価値の自由に縛られていて、ビジョンをシェアできないのである。

☆ところが、私立は独自の教育理念があるから、それにリンクする学習理論であるならば、共有ビジョンとしてシェアできるのである。

☆特に工学院は、専任の司書教諭が存在し、思考力の一般化は当たり前なのである。ちょっと考えれば、図書館はすべての教科に開かれているから、当然なのである。

☆しかし、専任の司書教諭は、全国の学校でも10%はいないと言われている。教科や担任と兼任ゆえに、たいていは事務運営処理だけでおわり、学習理論をリサーチする時間がない。

☆ところが、工学院は専任の司書教諭が大学でも図書学関連の講義をしているし、図書委員といっしょに図書館学的な探究学習を日々実践している。この積み上げがあるからこそ、4月から着手して、あっという間に思考力テストやセミナーの背景理論である工学院モデルを構築できたのであろう。

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