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工学院 思考力テスト開発 画期的(3)

☆工学院の思考力テストの背景に横たわっている学習理論=工学院モデルは、サンプル問題の解説部分にわかりやすく表現されていた。

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☆そして、ここに到るまでにリサーチした学習理論として、アメリカの図書情報処理学のベースであるBIG6理論やカナダや日本の探究学習理論が紹介されていた。

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☆いずれも、ブルームのタキソノミーベースの発展版であるのはすぐにわかる。次回の学習指導要領の背景理論も、基本はこのタキソノミーである。もちろん、一つにはできないので、いろいろな考え方が紹介されてはいるが、基本はブルームの構成主義的考え方と機能主義的考え方の混在部分をきれいに整理されたタキソノミー理論にしている。

☆それゆえ、要素分解主義に陥りがちな危うさが予想される。総合学習とは真逆の発想でもある。

☆ところが、工学院モデルは、この両方の考え方を統合させている。そこが他に類を見ない優れたところである。

☆どういうことかというと、たいていの現場の授業は

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☆この2つのステップで終わる。へたしたら、ステップ2だけで終わる。中学受験や高校入試、大学入試の模擬試験もこの「情報を読み取る」→「情報を整理・分析する」で終わる。

☆実際の入試で10%の学校は、

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☆ここまで求めるだろう。しかし、東大・京大でさえもここまで。開成・JGもここまで。ところが、大事なことは、生徒の未来への可能性である。

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☆つまり生徒1人ひとりが、自分なりの好奇心がどこにあるのか確かめつつ、理論的にジャンプする。ステップ1からステップ6への飛躍が大切なのである。

☆このステップ1からステップ6の飛躍を見る入試が、中学入試では麻布であり、筑駒であり、武蔵、桜蔭、雙葉なのである。大学入試では慶応のAO入試や推薦入試である。

☆しかし、問題なのは、ステップ2からスッテプ5をショートカットするから、誰でもできるかというと、特別なトレーニングを受けていないと解けないということになる。

☆そのマジックともいうべき知のジャンプの種明かししているのが、工学院モデル。これによって、すべての生徒の才能に門戸を開いているのである。チャレンジするかどうかは生徒次第である。

☆スッテプ1からスッテプ6へのジャンプは構成主義的学習観。ステップ2からステップ5は機能主義的学習観。そういうスッキリしたモデルのである。

☆ところで、海外の中等教育や大学進学の制度は、工学院モデルに近い。ショートカットはせずに、ステップ1からステップ6までを丁寧に評価する形成的評価のシステムが整備されているし、ポートフォリオを大切にするのもそこに理由がある。

☆今回の2020東京オリンピック招致活動で勝利したのは、このポートフォリオを大切にし、ロビー活動やプレゼンをしたからである。

☆わかりやすかったというのもあるが、欧米は、情報公開が民主主義の基礎だと考えているから、日本が民主主義先進国として認められたということでもある。

☆工学院モデルが構築できたのは、図書館学という、情報の自由を保守する伝統が、「図書館戦争」に象徴されるようにあるからなのだ。




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