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八雲学園 新時代を拓くエンロールメント・コミュニケーション

☆9月1日(日)、八雲学園は塾・教育関係者対象に入試懇談会を開催。昨今エンロールメントマネジメントという生徒獲得戦略が、大学で語られるようになったが、八雲学園は中学開設以来、その手法を独自に積み上げてきた。

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☆エンロールメントマネジメントは、米国発であるから、西海岸にある姉妹校ケイトスクールと長年交流していることを想起すれば、なるほどと改めて納得。

☆この手法は、入学試験段階だけの方法論ではなく、入学試験→教育活動→生徒のモチベーション→生徒の将来性という一連の学園生活すべての情報を、アナログ、デジタル両方の情報に基づきながら証明していくコミュニケーション活動である。

☆科学の最先端について、専門家だけ知っていればよいのだと言われていた時代から小学生にもわかるように科学コミュニケーションを構築するにはどうしたらよいのかというグローバル教育の時代になったのだが、まさに八雲学園が行っているこの教育活動を入り口から未来まで情報をステイクホルダーとシェアする方法は「エンロールメントコミュニケーション」と呼べよう。

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☆ステイクホルダーとは、一般には、学内も含むのだが、八雲学園の場合は、学内は「ファミリー」で一心同体であるから、ステイクホルダーとはニュアンスが違う。

☆ファミリーのメンバーがそれぞれ、ファミリーの他者への貢献のための教育方針をしっかり伝えるという感覚なのだ。

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☆近藤校長は、八雲学園の教育の方針や哲学、時代の動きを見据えながらいまここでどう生きていくかなどの開かれた精神の話をされるが、在校生も自分の言葉で語るのである。

☆しかも英語で話すから、八雲学園の英語教育の質も伝わる。

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☆そして、ビデオレターで卒業生が自分の学んだ環境について話すが、やはり一貫している。この一貫性のあることは、「コヒーレント」と言って、シリコンバレーではコミュニケーション、プレゼン、企画の時に求められる基本中の基本コンセプトである。

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☆さらに、それを教師がデータに基づいて語る。一貫性といっても、同じ表現をするのではない。生徒はイングリッシュパフォーマンスの中で、卒業生は大学や社会人としての体験と照らし合わせて、教師はデータというエビデンスに基づいて表現する。

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☆さらに、在校生の1人は、自分の夢について、まるで家族会議でプレゼンするように、ファミリーで育った自分の存在使命を語るというスタイル。今回プレゼンしたMさんは、以前インタビューしたことがあり、その時と変わらぬ一貫したリーダーシップと使命感をベースに語っていた。この一貫性が、明快、簡明、感銘という明るい知性を話す八雲学園のベースの感性教育なのだと改めて合点がいった。

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☆そして、最後の入試要項の説明では、入試のシステムについて語るのではなく(要項を見ればすぐわかるように図式などを用いて編集されているので、読み上げる必要はないし、すでに先生方が塾に丁寧に説明しに行っている)、受験生の親の不安を、塾関係者と八雲の先生方が共有し、そこからいっしょに不安を解消するおもてなしの心を全開する手法。

☆エンロールメント・コミュニケーションの極意は、相手のハートに共鳴の旋律を響かせることだ。それには、音程は一貫していなければということだろう。

☆大学では、組織がファミリーに同化することは不可能である。教授会は考え方を一致させることはできない。組織として決断をし、組織のメンバー1人ひとりの気持ちは別にして、組織として立場上一丸となるしかない。

☆だからエンロールメントマネジメントという手法にならざるを得ない。エンロールメントコミュニケーションは、米国でも難しいだろう。八雲学園の独自の手法。私立中高一貫校は、この手法を使うことは可能だが、なかなか難しい。



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