中学受験市場に支持される「中高一貫校」(2)浅野
☆浅野が塾に人気がある本当の理由は、入試問題にある。どの教科もあらゆる分野・領域からバランスよく出題する。
☆偏差値55から63の受験生が浅野の入試問題を解けるようになることを目標にすることが、併願戦略ばかりか、受験勉強の指導にも有効であるから、人気が高いのもうなずける。
☆国語は、文章の細部分析と文章全体の構成を整理できる力を養える。また選択肢もセンター入試の選択肢の作り方になっているから、選択肢間の差異を丁寧に分析していけばよい。
☆算数は、最近大型問題を出題しているが、麻布や海城、攻玉社の問題に類似した問題が出題され、新傾向は出題されないから対策がたてやすい。
☆理科は、物理や化学の問題は定番。とくに力学の問題などは、受験生は力をいれてトレーニングしているから、努力が報われる。
☆社会は、知識を憶える以外にグラフの読み取り問題も出題され、考える社会の問題も出題されるようになっている。東大の地理の問題を思わせるような問題だが、基本はグラフをきっかけに知識を動員する問題(全く東大の出題方法)で、パラグラフライティングのような文章構成力までは必要としない。
☆オリジナル問題を作成する塾も多いが、新人は浅野の問題をモデルにしていけば、へんな癖がつかない。バランスもよく、考える問題(高次思考ではないが)もはいっているので、受験指導の基礎を育成できる。
☆受験生にとっても、同じことが言える。そしてなんといっても併願戦略が立てやすい。
☆偏差値55前後の受験生は、浅野を第一志望にして、サレジオ学院、世田谷学園、鎌倉学園、攻玉社などの併願校を選択すれば、浅野の過去問対策で概ね完了してしまう。それに、浅野を目標にすれば受験生のみならず、保護者の満足度も高い。受験相談がやりやすいのである。
☆偏差値60~63の受験生は、麻布や栄光、海城などと併願する。これは浅野にとっても嬉しいことだ。というのも、浅野の入試問題だけでは、高次思考の部分は養われないが、麻布や栄光の問題は高次思考を養う問題だし、海城も一部そうなっている。
☆だから、浅野はそこを何もしないで、中学受験の併願によって鍛えられてきたその才能の恩恵に浴することができる。演劇部が賞をとったり、国際化学コンクールレベルの大会で優秀賞を収める生徒が輩出されるのはそういうことだろう。
☆しかし、偏差値60から63の受験生が、麻布や栄光に合格するときに役立つのも浅野との併願戦略のおかげということもある。
☆麻布の理科などは、基礎をとっておけば、多少記述ができなくても合格できる。そこは浅野の対策が役に立つ。栄光も漢字をばっちりだしてくるが、そこは浅野の対策が役に立つ。
☆偏差値60から63の生徒で、麻布や栄光に受かる確率はそう高くないが、合否をわけるのは、浅野の問題ができることに主軸をおいて対策しているか、麻布や栄光の合格集団の中に入り込もうとするかによって違いが出てくる。
☆それは模擬試験の正答率の使い方次第で、微妙に差異がでてくるのである。これは、塾の先生方が指導することだから、ここで述べる必要はないだろう。
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