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順天のグルコミ議論の優位性

☆順天では、10年以上前から、LHRのほとんどを「グルコミ(グループコミュニケーション)」の時間に当てている。

☆プログラムの展開は、まずは個人ワーク、次にディスカッション、最後にプレゼンテーションというシークエンス。

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☆このスタイルは、最近いろいろなワークショップで導入されている。大学でもPBLとかアクティブラーニングのスタイルはこれだし、中高でも反転授業の影響や21世紀型スキルの導入、タブレットなどICTの活用が、今までの講義形式を転換させている。

☆この間、NHKで、災害が起きたときにどう行動すべきかを議論することで、考える力を身に着けてもらう新たな防災教育のプログラムを気象庁が作り、中学生と高校生が参加して初めて行われた「授業」が放映された。

☆この映像を見ていて、順天のスタイルと型は同じだが、質が違うなあというのが明快だったので驚いた。

☆考える力とか問題解決のシステムが明快でないから、侃々諤々ではなく喧々囂々となりがちだし、そのプロセスだとステレオタイプの考え方に収束してしまいがち。

☆考える力は、最終的にはメタ認知やクリティカルシンキングに到らなければならない。それが今回の気象庁のやり方では難しそうだ。

☆どうして難しいのか?技術的なことではない。メタ認知やクリティカルシンキングは、互いに信頼関係を築いていないとできない。

☆もしこんなことを言ったら、相手を傷つけるのではないかとか、逆に自分が非難されてしまうのではないかとか防衛機制が働いてしまっては、なともな議論ができない。

☆そういう空気の呪縛から解放されるシステムがきちんとプログラムされていないから、そうなってしまうのだ。

☆順天の場合、この防衛機制を互いに解除するアサーショントレーニングから始める。論理的に議論するには、その前提として信頼という感性が必要なのである。

☆感性だけでは説得力がないが、論理だけでも人は動かない。

☆議論ができる考える力とは知性と感性の統合あるいはバランスである。気象庁のような取り組みをやるところは、順天のグルコミをぜひ見学にいかれることをおススメする。

☆もちろん、今回の気象庁の試みには大賛成である。大賛成であるからこそ、プログラムの設計は創意工夫をしたほうがよいと思ったのである。おせっかいだとは思うのだが。。。先進事例があるのだから。

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