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達成度テスト?才能発掘テスト?

☆日本経済新聞2013/10/22 1:24 によると、

大学入試改革を議論している政府の教育再生実行会議は21日、現行の大学入試センター試験に代わる新テストと、高校生の学習到達度を確かめる基礎学力テストの2つの名称を「達成度テスト」に統一し、同じ組織が統括する方向で検討に入った。

☆高校での学習定着度をみる到達度テストを「基礎」、大学入試用のテストを「発展」と位置付けるということだが、次回の学習指導要領に「高次思考」を養うアイデアがはいるから、そうしたのか。

☆高校生に勉強させるために、基礎学力テストを課す言い訳として、センター試験と結合し、新しもにしたということにしているだけなのか。

☆前者になるには、「高次思考」学習指導要領ができなければならないが、これはIBやAレベルの発想で、全員が履修しなければならないわけではない。となると、実質「基礎」テストのみ受けて、大学に進学する生徒と「発展」テストも受けて大学に進学する生徒がでてくるのを容認することになるだろう。

☆「基礎」大学と「発展」大学の格差が生まれる。後者は世界大学ランキング200位以内の大学となるのだろう。高次思考と言うより、難解思考にすり替わってもいる。

☆もし後者なら、何も変わらないようにみえるが、実は今までの高校入試の在り方では、高1や高2の初めに行う「基礎」テストは、中学の時までの教育によってすでに差がついてしまうから、学習指導要領ではなく、6・3・3制を見直すという話になるだろう。

☆前者は結局教育の質ではなく、教育の難易を明快にする制度改革、格差が広がる。後者は教育の外観を変える制度改革、3・4・4制になれば、入試回数も増え、受験産業の活性化が起こる。

☆前者は高度グローバル人材を育成する制度改革。後者は市場経済のチャンスを増やす制度改革。

☆どちらも、大多数の子どもにとってはあまり良い制度改革とはいえない。前者は厳しい優勝劣敗型改革。後者は緩やかな優勝劣敗改革。

☆いずれも勝ち組負け組価値観から脱することができない。

☆つまり、負け組という自己否定感に鬱々とする人材がたくさん出てしまうだろう。

☆高次思考テストと難解思考テストの差異を見定めるところから改革したいものだ。前者は才能発掘テストで、後者は達成度テストという大きな違いがある。

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