八雲学園 「総合力」日本一(3)
☆教育環境としての「総合力」というのは、「英語教育」「チューター方式」「進路指導」「芸術鑑賞」という教育の4本の柱のことである。システムとしてあるから、教師どうし、教師と生徒、教師と保護者で互いに振り返り、確認できるし、時代に対応すべく改善もできる。
☆人間としての「総合力」は、今までも近藤先生は語ってきたが、今年になって、非常に注目いているテーマではないだろうか。良質教育を実践している姉妹校ケイトスクールとの交流、アメリカ西海岸の私立学校や大学の視察、今年エール大学の生徒が訪れ、アートと世界への貢献について八雲生と交流するなど、「豊かで大きな人間性」に実際に触れる体験を積み上げてきた。
※八雲の学園生活と教育を活かして、八雲の先生方に負けない教師になりたいと高2の在校生が「八雲の教育の有効性」についてプレゼン。
☆それが八雲学園の「マナー教育」と「感性教育」で同質のものを生み出しているという確信と自信という果実になったのではないだろうか。
☆近藤校長が大切にしているものの1つに「本物体験」がある。だから「英語教育」だと言えば、本物の英語体験をアメリカで行う。レジデンスまで建築してしまうほど。そして英語関連のイベントをたくさん開催し、生徒たちが英語で活動する体験の機会をたくさん作る。
☆「進路指導」だということになれば、社会人や卒業生の体験をシェアする機会をたくさんつくるし、いわゆる受験のプロとの出会いもつくる。数多くの大学訪問もする。
☆「チューター方式」だということになれば、24時間体制で、何かあったときに、生徒が話をしたいと思ったときに、よりそう教師がいるという環境をつくってしまう。生活のこと定期試験の勉強の仕方、成績のことなど話したいと生徒がおもったときこそ、モチベーションがアップする大チャンスである。そのチャンスを温かく見守りながらそばにいてくれる教師。他校ではあり得ないコミュニケーションという居場所である。空間としての居場所となれば、教室、メディアセンター、トイレにいたる隅々にまで心地よい学びやすい空間をセットする。安心安全の空間だということになれば、耐震工事を徹底する。
☆「芸術鑑賞」だということになれば、年に数回ではなく、歌舞伎やミュージカルなど、多文化の人々と接するときに必要な感性をつくるために、幅広い体験をする。しかも毎月のようにだ。エール大学からアートパフォーマンスをする学生を招待までしてしまう。パフォーマンスは生徒も英語からダンスまで、部活以外でも全員が一丸となって体験する。先生方も近藤校長も負けていない。踊り熱唱する。
☆つまり、八雲学園の4本の柱は、本物体験という土台の上に成り立っている。しかしながら、体験というのは、ともすれば楽しいで終わってしまう。自主性という言葉のもとに体験を自由に放置しておくと、楽しいで終わる。それでは土台は揺らぎ始める。
☆近藤校長は、だから「自主性」という言葉は慎重に使う。本物体験から得られるものをきちんと得る教育は、学校の場合は教師がデザインするのだという信念がある。そこで「マナー教育」「感性教育」という本物体験から得られるものを教師がしっかり計画するようになっている。
※八雲学園の「総合力」をイメージして図にしてみた。IB(国際バカロレア)のディプロマの図に倣ったが、図にしてみて改めてIB以上の教育が日本にあるという確信に到った。
☆八雲学園の生活は生徒1人ひとりが主役である。だから数多くあるイベントの実行委員というリーダーシップを発揮するチャンスが生徒全員に開かれている。企画や創造こそモチベーションをあげ、満足度が高くなることはない。
☆しかし、その学園生活を形作る教育の主役は教師である。学校は徹底した教育への配慮と学園生活の充実という両面がある。この複眼思考ができなる学校だからこそ「総合力」で日本一=世界一になれるのである。
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