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工学院の思考力セミナーがすごい IBの第1ゲートをくぐる(2)

☆IBのTOKのエッセイ(日本語で書けば3000字前後の小論文)の問題にこんなのがある。

“When the only tool you have is a hammer, all problems begin to resemble nails” (Abraham Maslow). How might this apply to ways of knowing, as tools, in the pursuit of knowledge?

☆あのマズローの「ハンマーしか持っていないと、あらゆるものが釘にみえてしまうものだ」ということばは、考えていくときに使うWOKsにどんなレトリックとして使えるのかぐらいの意味か。

☆そこで、ステップ2。マンダラートに、トイレについて挙げていった言葉を書き込んでいく。その際、ただ書き込むのではなく、チームで話し合いながら、仲間に触発されたことを書き込んでよいというルールを設定している。

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☆有山先生は、「コラボレーションが憧れの最近接発達領域を開きますからね。自分一人ではできなくても、コラボするとできるという領域です。この体験がなければ学びでないでしょう。」と。

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☆まさしくIBのKnowledge Questionそのもの。多くの人のWOKsに耳を傾けることの体験は、見方を狭くしたり、歪曲したりするリスクを回避する体験。

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☆そして、参加した生徒があげた言葉を、カテゴライズ。時間があれば、これも生徒どうしが議論する機会をつくっただろうが、ここは問答スタイルで。予め用意していたカテゴリーがすべて活用できていた。生徒全員のパワーはすさまじい。やはり三人寄れば文殊の知恵である。このカテゴリーはIBのTOKダイアグラムではAOKsの話。

☆IBでは、その問題がどのエリアで考えられるか考えられないかを「考える」問題が必ず出題される。有山先生のプログラムを見ていると、それが問題だから出題されるのではなく、思考のプロセスとして必然なのだということことが了解できる。

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☆そして、いよいよステップ4。ステップ3では、マンダラートのセンターは「トイレ」だった。しかし、ステップ4では、これまでの探求を通して、自分が興味をもったことを自分でセンターに設定して、マンダラートに書き込んでいく。

☆実はIBのTOKダイアグラムも、IBO(IB機構)が設定しているオリジナルの図を見せるのではなく、今回の工学院思考力セミナーのように、仲間として議論して自分なりのを作っていくのである。ダイアグラムもマンダラートも基本発想は同じである。

☆そしてスッテプ4は、さらに図にしたものを文章に変換するという思考作業が加わる。これは非連続テキストと連続テキストの双方向の思考作業。

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☆マズローの言葉のように、一方向だけを見ていたのでは、世界を見ることはできない。ルビンの壺同様、地と図は常に反転できるようにしておかねばならない。非連続テキストから連続テキストへ。PISAの十八番の問題作成方法でもある。

☆そしてステップ5では、ステップ4で考えたことをコラボする。ここでも自分以外の考え方に耳を傾ける。個人ワークからチームワークという反転ももちろんある。

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☆さてフィナーレのステップ6。「あなたは、自分の発表や仲間の発表を通して、どんなことを考えましたか。また、さらに、興味を持ったことがあったら、書いてみましょう」と。ここでようやく、生徒1人ひとりは、自分なりのKnowledge Questionに到達するのである。

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☆はじめての思考力セミナー。唖然としたステップ1から自分でGood Knowledge Questionを創るにまで到ったステップ6。生徒が大満足したのは言うまでもない。

☆工学院の先生方はIBの研修ワークショップに参加し、グローバル教育のリサーチを開始している。

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☆しかし、すでにグローバルメソッドベースの司書教諭と家庭科の先生は、IB以上の学びのプログラムを実施していたのである。

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☆ともあれ、問いは与えられるものだと思っていた受験生は、問いは自ら創るものであり、そうでなければ探求なんか歩んでいけないということを実感しただろう。

☆好奇心、モチベーション、学ぼうとする力は、かくしてプログラムデザインがなければ、きわめて偶然性が高い。だからできる子はできるという20世紀型教育がなかなか21世紀型教育にシフトしないのだ。

☆21世紀型教育を標榜している工学院では、生徒全員にその扉が開かれている。

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