« 国際教養大学の本音(2) | トップページ | 私学研ブログ週間ベスト30(2013.10.4週目) »

国際教養大学の本音(3)

☆卒業生によるプレゼンテーションには、国際教養大学(AIU)のシラバスが見事に反映していた。

☆AIUの学生として自分の存在意義を英語でプレゼンしたのだが、パワーポイントの出来もすばらしかった。

☆ただし、CEFRB2レベルでタキソノミーで言えばレベル4という次元ですばらしかった。

☆やはり、これが国際教養大学のグローバルリーダー、リベラルアーツの考え方の枠組み。クライテリアなのだ。

☆まったくこれは官僚企業日本株式会社流儀である。

☆それゆえ、これでよいのだ。何も欧米流儀のグローバルリーダー観やリベラルアーツ観でなくてよいのだという考え方も一つの価値観だろう。

☆しかし、同じようなテーマで、ブラウン大学に留学した日本人学生、エール大学の古賀さんのプレゼンを聞いたことがあるが、彼らはやはり欧米流儀。

☆その違いは、英語力ではない。言語力なのである。欧米流儀のリベラルアーツは、数学としてのあるいは思考としての言語力を身につけるから、ゲーデル=バッハ=エッシャーというようなデンジャラスナレッジとしての思考をトレーニングされる。

☆これはすでにIBのTOKというプログラムに実際にあるものだ。だから、グローバル人材になろうというストレートなレトリックは使わない。

☆今グローバルというのはグローバルではないだろうというナレッジクエスチョンを会場に投げかけてくる。今個性的というのは個性的でないだろうなどなど。

☆解なき社会の到来?はじめから解なんかないだろうと斬り込んでくる。

☆もしも、こういうレトリックを日本の組織内で発したら、嫌われるだろう。それが現状である。

☆ところが、今21世紀型スキルを身につけながらグローバル教育を実践しているオーストラリア、シンガポール、イギリス、カナダ、ニュージーランド、香港などは、もちろんそれぞれユニークなのだが、グローバルシチズンとしてのメタ認知やコミュニケーションにコミットメントしている。

☆このことが何を意味するのか、残念ながら日本の教育を受けてきた優秀生にはわからない。なぜならメタ認知能力は、学習指導要領では養うことになっていないからだ。慌てて次期学習指導要領においてそこまで射程が広がる議論がされているのは、そこに理由があるのかもしれない。

☆そんなわけで、国際教養大学のグローバル人材、グローバルリーダー、リベラルアーツも、従来型の学習観の枠組み内であったのである。

☆こんなことをストレートに言うのは、粋じゃない。それゆえ文部科学省顧問は、ずっと私は今日は結論を持っていない、結論を出せないと言っていたのだ。言い訳なのか、ブラックなのか、配慮なのか、よくわからなかったが、さりげなくこう語った。

「ケンブリッジの大学生にあったときに、彼らの数学の知識が私より少ないのに驚いたが、少ない知識を整理し統合しているから議論ではかなわないんです」と。

☆暗にリベラルアーツはちゃんとあるよと言うことを語っている。しかし、AIUに招かれたわけだから、配慮をしたということだろう。さすがは、文部科学省中央教育審議会副会長、前独立行政法人大学評価・学位授与機構機構長、元東京工業大学学長を歴任した方である。工学的に日本社会のシステムを検証済みというわけだ。

☆開会挨拶は事業推進責任者を担ている教授から。立ち上げ当初から中嶋学長を支えてきた方のようだ。それゆえ、中嶋学長の「教養は決断を促し、社会を動かす」という言葉を披露した。

☆この言葉を、そのあとのプログラムのどこで誰が拾うのだろうと期待して聞いていたのだが、文部科学省顧問の配慮が示しているように、だれも拾わなかった。拾ったのは、聴衆者側からだった。中嶋学長のお弟子さんが、違うのではないかねと物申す時まで待たねばならなかった。そしてそれが閉会のトリガーになった。。。

☆国際教養大学が立ちあがって間もないころ、インターンシッププログラムをやりたいから学生を受け入れてほしいと依頼されて受け入れたことがある。前職の話であるが。

☆また知人も同大学に進学している。夏ごろ研修を受けてきた高校生たちが、感動してプレゼンしてくれた大学でもある。

☆海外大学でなくても国内にあるグローバル大学として位置づけようかと高校の先生方と話題にしている大学でもある。

☆だから中嶋学長の理念がどう継承されているのか、勉強嫌いの自分だが、少し期待もして参加した。期待とはまったく違うベクトルで、これはこれで興味深い機会となった。

☆また私立学校の先生方と話し合わなければならない重要情報も得ることができたシンポジウムだった。

|

« 国際教養大学の本音(2) | トップページ | 私学研ブログ週間ベスト30(2013.10.4週目) »

学校選択」カテゴリの記事