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学力テスト「成績公表に配慮必要」の本音

☆日本経済新聞2013/11/15 21:17によると、

文部科学省の専門家会議は15日、教育委員会が全国学力テストの学校別成績を公表する場合、各校の平均正答率だけを公表することは避けるなどの配慮が必要との考えを示した。具体的にどのような指標を盛り込むかは明示しなかった。

☆2018年から実施しようという達成度テストの話が盛り上がっている中、学力テストを公開しない分けにはいかない。

☆しかし、学力テストの中身は、誰が見てもこれで学力が測れるのかわからないもの。いや一目瞭然、測れない。

☆そして、達成度テストの発想が、学力テストのような内容のものとは違うイメージのものであるからなおさら、このままではいけない。中身の見直しの時期だ。そう文科省は気づいているはず。

☆そうはいうものの、中身の話はなぜか議論できない。結局制度論という枠組みの話しか進まない。

☆もともと、日本の生徒のOECD/PISAの成績が右肩下がりになってきたから、なんとかしなきゃという動機で始まった学力テスト。

☆この結果のリサーチによって、現行の脱ゆとり学習指導要領が生まれた。しかし、すでにこの学習指導要領では、今度はグローバル人材育成という新たな課題を超えることができない。

☆本当は学力テスト内容をPDCAサイクルで検討すべきだが、そこは作成支援企業にお任せで、とにかく目先の教育制度を変えて、乗り切ろうと。

☆グローバル人材育成のベースに21世紀型スキルがある。メタ認知とICTの学びへの導入が課題。

☆PDCAのCAの部分を学びに積極的に取り入れなければならない風潮が巻き起こっている。その振り返りの思考様式がメタ認知だし、細部にいたるビッグデータを瞬時にエンパワーメント評価するのがCBT(コンピュータベースドテスト)。ICTの有効な活用が必須。

☆すると、学力テストの結果を、積極的に使えないとか公開できないとかいう話は、論外となるから、どうしても公開しなければならない。

☆しかし、テストアイテムという中身が充実していない。だから、そんな内容で、競争が起きるのは、そもそも話にならないが、中身がダメダメだと文科省自身が言えるぐらいのオープンな組織ならば、はじめからこういうことになっていない。

☆それゆえ、

座長代理の耳塚寛明お茶の水女子大副学長が議論のまとめとして「学校の序列化を招くとの指摘もあり、平均正答率だけを示す公表はしないと実施要領に明記すべきだ」と述べた。

☆とグローバリゼーションの中で序列化という影の部分があるにもかかわらず、そのような世界の光と影の社会システムをカッコにいれて、目の前の牧歌的な学力観を語る始末。

☆耳塚座長代理のミッションは、学力テスト自体、子どもの商品化を促進しているという社会システムを明らかにし、そこから解放する学力テストを再構築する学問的提言を行わなければならないはず。すでに高度学歴社会は序列化でできていることは世間も承知。なぜ小中学校だけがその例外なのだろう。

☆もうこの手の議論を切り上げて、序列化社会システムを強化する脱ゆとり教育を支える学力テストを廃し、脱序列化=脱優勝劣敗システムを構築する教育を支える学力テストを脱構築するとき。それが文科省の本音ではないか・・・。

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