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いじめ防止基本方針 個人と社会の再編必要

☆日本経済新聞2013/11/25 12:23 によると、

国や自治体、学校がいじめ防止に取り組む責務を定めたいじめ防止対策推進法が9月に施行。10月には国がいじめ防止の基本方針を策定した。・・・・・・ただ、いじめ問題は複雑化しており、大人の側からの“上からの指導”だけでは限界がある。

☆非常に重要な指摘。「上からの指導の限界」とは何ゆえに限界なのか。そこを議論していくことが、限界を乗り越えるためには重要である。

☆そのヒントは、「いじめ防止対策推進法第十五条」にある。

1 学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。
2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを防止するため、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童等が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な措置を講ずるものとする。

☆そして、これに対応する「いじめ防止基本方針(平成25年10月11日文部科学大臣決定) 」の箇所を見ると、

社会性や規範意識、思いやりなどの豊かな心を育むため、学校の教育活動全体を通じた道徳教育を推進する。このため、道徳教育用教材の活用や道徳教育に関する教職員の指導力向上のための施策を推進するとともに、各地域の実態に応じた道徳教育を推進するため、地域教材の作成や外部講師の活用をはじめとする自治体等の取組を支援する。
 また、学校において、児童生徒の発達段階に応じ、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができるようになり、それが様々な場面で具体的な態度や行動に現れるようにするために行われる取組を推進する。
 加えて、児童生徒の豊かな情操や他人とのコミュニケーション能力、読解力、思考力、判断力、表現力等を育むため、読書活動や対話・創作・表現活動等を取り入れた教育活動を推進する。また、生命や自然を大切にする心や他人を思いやる優しさ、社会性、規範意識などを育てるため、学校における自然体験活動や集団宿泊体験等の様々な体験活動を推進する。
 さらに、これらの取組が、学校の教育活動全体を通じて実践され、子供一人一人の健全な成長が促されるようにすることが重要である。

☆15条をどのように、具体化するかによっては、限界を乗り越えられるが、この国の「いじめ防止基本方針」では、まだまだ「上から目線」。個人と国の関係が再編されていない。

☆一方各自治体ではいろいろ行われている。日本経済新聞2013/11/25 12:22によると、

区教委などは8月、中学の生徒会役員を集めたいじめ対策の「杉並中学生生徒会サミット」を開催。参加した生徒の一人が小学校訪問の経験を話すと、「他校の生徒も乗り気になった」(区教委担当者)。これをきっかけに9月から中学生の出前講座が始まり、11月末までに区立小学校全42校を中学生が訪問する。

☆このような子どもたち自身が学習権を発動してボランティア(主体的活動)の輪を広げていくことは重要である。

☆しかし、子どもたち自身には難しいからと、社会の仕組みをクリティカルシンキングさせないでいると、結局大人が子どもを利用しているに過ぎないという「上からの指導」になってしまいがち。「学習権」が発動されない。

☆子どもたちも「個人と社会」の関係を再編することの思考と活動の機会を作らなければ、問題のある社会に適合する個人への強制が再びいじめを生み出すという悪循環を断ち切れないだろう。

☆結局、「いじめ防止対策推進法第十五条」の具体化は、そのような機会を授業の中に埋め込むところまでいかなければ、絵に描いた餅になるだろう。

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