2014中学受験【026】 聖徳学園の「頭のフェイント」
☆先日、聖徳学園でICT公開授業があった。シンガポールやオーストラリアの21世紀型スキルを育てるICT活用に比べると、まだこれからという部分もある。
☆しかし、ICTを活用してもしなくても絶対必要な根本的な授業デザインという点では全く見劣りしない。もしかしたら、もと先を行っているかもしれない。
☆ICT教育は、前々回の記事でも述べたが、LMS(Learning Management System)があって、生徒の学びの過程のログ(記録)をとれる段階までいかないと先進的とはいえない。これはもは学びのポートフォリオではなく、ハワード・ガードナー教授のいう「プロセス・フォリオ」。
☆しかし、ここまでのICT教育環境を持っている学校は、日本では大学でもない。だから、そういう意味では、普段の授業で、多くの生徒が電子黒板を活用して、ハイパーテキスト環境を生徒とシェアしている聖徳学園は、日本の中では最先端だろう。
☆ただ、それで満足するような学園ではない。今後が楽しみなのであるが、その期待値が高鳴るのは、あの有名な故ランディー・パウシュの「最後の授業」そのものをモデルにして授業を構築している教師の存在だ。
☆パウシュはカーネギーメロン大学の終身教授だったが、自身が膵癌の末期症状にあることを知り、2007年9月18日に「最後の授業:子供時代に抱いた夢の実現」というテーマの授業を行った。
☆その手法は「頭のフェイント」。日本の学校や教育のバカげているのは、授業の前に「目標」を語ることだ。業績があがらない企業も、事業計画を真に受けることだ。もちろん、私のように事業計画もないような今にも倒れそうなカンパニーは論外であるが^^;
☆それでいて、既知のものではなく未知のものに出会ったときに主体的に考え自己決定ができるような人材を育てたいと、初めから矛盾を内包している世迷いごとを言っている。
☆かといって、目標はないんですと始まると、不安が渦を巻くし、世の中の提出用のアプリケーションは通らない。体験者は語るという感じだが。。。ともあれ、だからフェイントだ。
☆初めに設定した目標に到達したとたん、本当の目標が、それも生徒1人ひとりの目標が開かれるという授業のデザイン。これが「頭のフェイント」手法。
☆IBのTOK流儀のライティングでは「オチ」と簡単にいっているもの。考えてみれば、「オチ」のない文章はおもしろくない。予定調和は未知ではないから。
☆かくいう私もそんな「頭のフェイント」は使えないプレイヤーであるが;^^A。学校の先生方の凄い授業を見るたびに自己理解度が高まる一方。。。である今日この頃。。。なのである。
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