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2014中学受験【053】 八雲学園 21世紀型女子教育(2)

☆今立ちあがっているグローバル人材育成教育と表裏一体をなしている問題は、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」ということ。

☆この目標は、平成15年6月20日男女共同参画推進本部で決定された。しかし、『2020年30%』は、女性の経済的な社会進出の話で、グローバル人材育成が、経済中心主義のものと同じなのである。

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☆それゆえ、私立中高一貫校の共学化がすすみ、高校入試でも女子校が苦戦しているのは、理由がないわけではない。

☆たしかに女性の経済的自立は重要である。だが、グローバル人材育成がそうなように、結局は経済格差を広げることに変わりがないのが、これまでの経済政策である。

☆そしてその格差は、男女格差と無縁でないのは説明するまでもないだろう。女性の指導的地位が30%占めると言っても、そうでない女性はどうなるのか。

☆世界経済フォーラムは、「世界男女格差報告2013」で、男女格差がない傾向ランキングを発表している。日本は世界136ヵ国のうち105位という結果で、毎年ランキングは下がっているのだ。

☆この調査は「政治」「経済」「教育」「健康」の4つの分野から構成されているが、分野別にみると、「健康」については34位であるが、「政治への関与」は118位、「経済活動への参加と機会」は104位、「教育」は91位だ。

☆つまり、今の日本の共学化教育は、世界各国のグローバル教育とは真逆の方向に進んでいるのである。どこかで歯止めをかけなくてはならないが、そうすぐに変わるわけではない。そのことを知って、「いまここで」、自分の娘をそんな格差荒野に放てるものだろうか。

☆八雲学園の近藤校長は、そのような経済中心主義の世界を本物教育によってなんとかしようと働きかけている私学人であるが、一方ですぐに変わらない社会の現状にあっても、ダライ・ラマ法王と共感した大切な心を忘れない女性を育成する現実的な教育活動も推進している。

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☆もしも、そんなことが世界中で八雲学園だけが追究しているのだとしたら、それはユートピアにすぎない。しかし、実際に、ダライ・ラマ法王が学園を訪れ、教師も生徒もその人間の本来の心を共有したのである。ユートピアのはずがない。

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☆実は今年5月、世界ツアーをしているエール大学の女子学生もまた八雲学園を訪れて、未来の八雲生を想像させる交流が行われた。その報告を今回の「英語祭」で、高校生がプレゼンしていたが、世界で活躍する女性の豊かな知性と感性に触れ、そして伸びやかな考え方と寛容なこころに感動したのだと。

☆この心もまたダライ・ラマ法王の精神に共鳴し、八雲学園のウェルカムの精神につながっているのである。

☆ノエルのシーズンに、その世界につながる八雲学園の精神を互いに分かち合うイベント。それが英語祭のもう一つの意図だったのではあるまいか。

☆格差をなくすとか、GDPを成長させるとか、そういうことも大切であるが、その過程で生まれ出ずる目の前の痛みを引き受け、自分なりの感じ方や考え方で、解決できるよう社会に参加し、同時に自立していく女性の教育が本来的なのではないだろうか。

☆この教育を守り持続していく意志。この意志を八雲学園の先生方は一丸となって貫いている。進学重点教育だけやっていれば、どんなに楽かもしれない。しかし、誰かがそういう水が低きに流れてしまう傾向を止めねばならない。

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☆経済はむしろ悪貨が良貨を駆逐するから、より一層それを押し進めてしまう。政治もまた多数決の原理に左右される。高い意識・強い意志が貫いている教育こそが出番なのである。

☆自分の娘の未来を拓く教育はどこにあるのか、年末じっくり考えてみようではないか。そのことに気づかせてくれたこと。それが八雲学園の心のクリスマスプレゼントである。

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