2014中学受験【079】 世界に通じる桐光学園
☆その英語教育であるが、同校facebook(実に充実している!)によると、生徒がそれぞれの興味関心のある分野において、知的好奇心や探究心を喚起していくことを目的とした「ユニーク講習」で、‘Academic Skills for Study Abroad(以下ASSA)’という講座を開講しているという。
☆この講座の目標は、
①将来海外の大学に進学することを希望する生徒が、TOEFLテストにおいて入学基準となるスコアを取得していくためのトレーニングをすること。
②実際に海外の大学に留学した際、最低限の成績を取得してアカデミックにサバイバルするために必要とされる、
・論理的思考スキル (Logical Thinking, Critical Thinking)
・課題解決能力 (Problem Solving)
・プレゼンテーションスキル (Oral and Written Presentation)
を養っていくこと。
☆そして、TOEFLテストのスコア取得を目指すために、TOEFL ITPテストを導入し、受講生全員が年に2回(6月及び1月)に受験することを必修としているという。
☆ITPテストを利用すると言っても、一斉授業講義形式ではない。TOEFLの公式サイトで、同校の清沢健二先生は次のように語っている。
「アカデミックリーディングのトレーニング」及び「アカデミックリスニングのトレーニング」を実施しました。アカデミックリーディングのトレーニングでは、「携帯電話の校内使用」「死刑制度」「子どもの臓器提供」「外国人労働者の受け入れ」といった賛否両論のある問題を取り扱ったリーディング教材を使いました。英文で書かれた論説文のパラグラフの構成、論理展開、ディスコースマーカーの特徴について説明した後、取り扱った題材についての内容の共有を生徒同士で行います。そして題材のテーマに関して賛成と反対に分かれて英語でディスカッションを行う、という方法を取りました。これらは全てTOEFLテストで問われるリーディング能力を踏まえたトレーニングとなります。
アカデミックリスニングのトレーニングでは、アメリカ政府が運営する国営放送であるVoice of America (VOA) 及びアメリカのケーブルテレビ放送局のCNNを取り扱いました。特にVOAにはLearning Englishと呼ばれるシンプルな文構造でゆっくりと発話する英語放送があり、ナチュラルスピードの英語に対応する力を段階的に養っていくことができます。VOA Learning Englishで英語のニュース放送に段階的に慣れていくことで、TOEFLテストで問われるリスニング能力を養っていきます。
☆リスニングとは英語の学びの1つではあるが、情報収集の1つでもある。したがって、TOEFLの学びを通して、生徒は情報収集→情報の理解→情報の分析→情報の応用→自己決定という思考の過程を積み重ねていく。
☆英語のスキルと思考の方法が相乗効果を生み出す講座になっているわけだ。この思考過程の中での、理解した情報を、他の分野に応用することは極めて重要であるが、それは桐光学園の中にすでに贅沢な環境が設定されている。
☆言語能力と思考力を統合する典型的なチャンスは模擬国連だが、ちゃんとこれにも挑戦している。
☆桐光は海外研修も行っているが、交換留学生も多数受け入れている。facebookを眺めているとそれがわかる。
☆グローバル教育は、世界の痛みを受け入れ、コミットメントしていくことも大切だが、自国の文化のアイデンティティを探る作業も必要だ。
☆スポーツばかりでなく、クールジャパノロジーの甲子園にも参加。
☆グローバル教育の基本はコミュニケーション。信頼と高次思考の交差に奥義がある。神奈川エリアには、今後世界に即通じる学校が3つあると述べたが、その1つが、桐光学園なのは言うまでもないだろう。
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