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10代から30代が描く国のカタチ

☆元旦深夜NHKの「日本のジレンマ」で「僕らが描く この国のカタチ2014」と題して70年代生まれの、つまり30代以上の論客が語り合ったようだ。

☆そして昨日40代の東浩紀さんがどこか違和感を抱いているとtwitterで。

☆そして、今日3日は東洋経済オンライン1月3日(金)8時0分配信 で、<25歳以下で結成する新政党「0党」の野望 >という対談が掲載。次のように始まった。

新世代リーダー予備軍とも言える10代の優秀な若者は、どんな未来を描いているのか。「スーパーIT中学生」「スーパーIT高校生」として早くから独自の道を切り拓いてきたデジタルクリエーターの灘高生が、未来予測を発信。ITや政治、経済、教育、ときにはアイドルや女の子ネタまで、感度の高い移り気なアンテナがキャッチするまま書き連ねる。
今回は新春特別対談として、政治活動家で慶応義塾大学1年生の青木大和さんをお迎えし、世代論や日本の社会、政治への思いを語り合う。

☆スーパーIT高校生とは、あのTehuさんで、18歳。そして青木さんは19歳。対話の中で、Tehuさんがこう語っているところがある。

   Tehu:2020年のオリンピックを1964年の再来と思っている人が多いけど、コンセプトが今回はまったく違うんですよ。1964年は戦後、復活の象徴。高度経済成長期で「日本、すげえ」と全世界に言わせることだった。2020年は延命治療中。「これからも日本、がんばりますので! 」って全世界に先進国の貫録を見せることでしょ。

 青木:日本はホント、延命治療中ですよ(笑)。

 Tehu:その国際的な見せ場を、なぜあと10年しか生きられないようなジジ、ババに任せているのか。オレらにやらせろ! というのがある。クリエーターでいうと、やっぱり30代後半のあそこらへんの人たちが中心になればいいと思っていますけど、ボクはぶっちゃけ、その世代も古いと思ってるから。

 青木:うんうん。

 Tehu:すごい仲いいし、尊敬していますよ。ただ、彼らの表現手法や思考回路自体が、言ってしまえば20年前か30年前に学んだものだから、当然古いわけです。で、次はボクらですよ。

 ボクらだって2020年を逃すと、25歳を逃すと、たぶん古くなっちゃうからね。いまのうちにやっておかないと。

☆「ただ、彼らの表現手法や思考回路自体が、言ってしまえば20年前か30年前に学んだものだから、当然古いわけです。で、次はボクらですよ。」という箇所は重要だ。

☆20年前から30年前に学んだものが、実は今も続いていて、「次はボクらですよ」と言っても、その「ボクら」は、Tehuさんや青木さんのように、自分でリアルな世界で学んだり、起業したり、政治活動したりしているメンバーの話であって、一般の中高生は、相変わらずここで話題になっている20年前から30年前と同様の枠組みの中にいる。

☆日本のジレンマで語っている30代の方々も、Tehuさんや青木さんと同じような中高生時代を過ごしてきたのだろう。

☆だから、相変わらず大多数の若者に対して、40代以上は、相変わらず「今の若い者は・・・」というフレースを繰り返すのだろう。

☆この不毛は、世代論の設定にある。それぞれの世代は、比率こそ違うが、多様な価値観が葛藤している。その中で多勢を占めている価値観が、その世代を特徴づけているわけだ。

☆だから、その価値意識の分析こそ重要であり、世代の特徴を表す価値以外の価値をきちんと並べることだろう。

☆そのうえで、もう一度Tehuさんの言葉だが、今の10代の多様な価値意識の中に、30代以上の多様な価値意識にも見当たらない価値意識が新しく生まれていることを示唆していると捉え返すことがポイントだろう。

☆それは生産資本主義や消費資本主義、金融資本主義以外にライト資本主義の価値観が生まれているということ。生産資本主義にしても、消費資本主義にしても、金融資本主義にしても高ストレス抑圧型であって、ヘビーであることは共通している。

☆いずれにしても、このライト資本主義の系譜が、明治に生産資本主義と同時に生まれた自然秩序型資本主義の流れの中にあるのかどうか、つまり、ミヒャエル・エンデの「モモ」的な価値観であるのかどうかは、わからない。

☆というのは、編集者の思惑があるから、NHKは何とか里山資本主義におちつけたかっただろうし、東浩紀さんは、そもそも資本主義の枠組みからはみ出ているし、東洋経済は、リバタリアン的発想がベース。

☆その編集者の狡知を逆手にとって、まずは自分のアピールをする10代から30代の論客がどのくらいいたのかわからない。踊らされた論客もいただろう。

☆もちろん、東浩紀さんは自らが編集者だし、知のゲリラだから、覚悟が違うが。

☆いずれにしても、各論客の考え方を聴くまでもなく、20年から30年前の教育は、生産資本主義というモダニズムの価値観に偏りすぎているから、その軛だけは壊さなくてはね。

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