東浩紀氏の2014年ビジョン
☆東浩紀氏が、twitterで、今年の抱負をつぶやいている。連投合わせると2000字を超える。
☆氏は≪官学の系譜≫には属さないけれど、≪私学の系譜≫にも属さない。時代認識は、文学的感性から最も新しい場を照らしている。
☆東氏を教育の中で論じるだけではなく、展開できる学校というのはあるのだろうか。それだけ、学校の時代認識は相当時代錯誤ということだろうなあ。
☆そんな時代錯誤の時代認識で、どんなにグローバル教育やSNSやICTを使っても、何も変わらない。まして東氏の論理や感性を読み解く教養力がなければ、教育は結局何も子どもの未来を語れない。
☆かく言う私も、東氏の世界を理解するには想像力があまりにプアなのだが・・・。
☆東氏のtwitterを見て頂ければそれでよいのだが、どんどんつぶやきが増殖するので、以下に貼り付けることにする。東さん何卒お許しを。
そんな感じで、今年もよろしくお願いいたします。新年早々、連投失礼いたしました<(_ _)>
というわけで、要は、(1)自分はゲリラだと自覚する、(2)ゲリラなので広い支持は期待しない、(3)信頼できる仲間と信念に基づいて行動する、の3点が今年の抱負でしょうか。なんか書いていくあいだにどんどん過激になってきましたが……。
福島第一原発観光地化計画は、そしてゲンロンは、要はゲリラです。だから権力からも煙たがられるし、市民からも非難される。成功するかもしれないし失敗するかもしれない。歴史的にどう評価されるかもわからない。しかしすべてのゲリラはそういうものです。あとは信頼できる仲間と連帯するほかない。
ゲリラは、権力だけではなく、一般市民からも煙たがられるし、非難されるものです。権力=悪、一般市民=善という単純な図式で、だれからも批判されないように、ネットの空気ばかりを読むところから変革の芽など育つはずがない。福島第一原発観光地化計画を進めるなかで、ぼくはそれを実感しました。
にもかかわらず、ぼくという人間自体はネットや若い世代に心情的に大きな期待をかけていた。つまり、ぼくの感情が理論に追いついていなかった。けれどこの3年間でそれがようやく追いついた。だから、半分は転向、けれど半分は転向でもなんでもない、むしろ過去の書籍の延長なのです。日本のネットは「空気の可視化装置」でしかありません。空気は原理的に保守的なものです。社会変革の力はもたない。ネット発の若手世代が日本を変える、などというのはもはや空手形でありません。今年はそういう状況のなか、どうやって「ゲリラ戦」を闘うかを考えていきたいと思います。
半分、というのは、そもそも僕は理論的には、ずっと「ネットを期待しすぎてはいけない」といっていたはずだからです。例えば『一般意志2.0』は、「呟きを可視化し政治参加へのハードルを下げると同時に、専門家はそれを無視して熟議する力も身につけろ」という本です(一般に誤解されてますが)。東浩紀はネット擁護のひと、脱社会的なオタク擁護のひとだと思われているので、これって「方針転換」「転向」なのかと思われるかもしれません。それは半分は正しいのですが、半分はまちがっています。
ですから、今後は、薄い人脈を広げることはあまり考えず、きちんと信頼できる人とだけしっかりした仕事をしていきたいと思います。別の言い方をすれば、ネットよりもリアルを大切にしたい。2014年は、そういう意味で、この3年間に培った信頼を花開かせるような仕事をしていきたいと思います。
凡庸な発言で申し訳ないのですが、この3年間でぼくは、薄い人脈をいくら広げても何の訳にも立たないということを学びました。むろんアテンションがそのままお金や業績に結びつくひともいるのでしょう。でも僕の仕事はそうじゃない。ツイッターが数千RTされても、それだけでは何も変わらない。大変な状況は変わっていないのだけど、とりあえずフクイチ本の出版と美術展で一区切りつきました。この3年間でぼくが得たものはなにかといえば、ひとことで言えば「新しい人脈」です。ウクライナのひと、福島のひと、カフェのお客さん、ゼロ年代では想像もできなかった多様なひととの出会いがあった。
僕は昭和46年生まれで、じつは震災からこの3年間が前厄本厄後厄だったんですよね。厄年なんて信じたことがなかったんだけど、この3年間はまさに危機の年でした。会社立ち上げた瞬間に震災が来て、思想地図の方針もいろいろ変わって、離れていくひともいたしお金もなくなったし大変でした。
なんにせよ、新年の抱負みたいなこと書いておくと。まあ、しかし、こういうこと呟いていても、「東は年齢とってきたんで嫉妬しているだけ」と言われるのが40代の定めだな。実際そうかもしれないし。
ぼくは別に、必ずしもイデオロギー的な反権力(自民党批判)は必要ないと思うけど、生き方としての反権力(旧世代の作ったものを疑う)は必要だと思っていて、その点では確かにいまの若手論客の「マスメディアに出て現状肯定、ただし自分の若さだけアピール」はついていけない感じがする。
権力に巻き込まれて一緒に太ろうぜ! RT @masayachiba 祖父母がやたら食物や酒を食え飲めと言うのを、そんなにいらないから、ダイエットしてるから、と流して断るのだが、ああいった歓待は、優しさであると同時に、この場では自分たちがホストであるという権力のアピールでもあると思
そのようですね。とても光栄に感じています。講談社現代新書は岩波新書と並ぶ名門ですから。RT @blackcap2537 @hazuma 元旦付け毎日新聞に講談社から現代新書の全面広告が掲載。年表方式で紹介された12冊の中に「動物化するポストモダン」が含まれております。
若さだけを売りにする「若い世代」がこの数年間でぼんぼん出てきて、早くも読者/視聴者に飽きられてきているという現実もあるようです。若手討論番組は視聴率が取れないと聞きました。@furumai_yoshiko 日本社会全体に「今の若いもんは…」的な意識がまだ濃厚なのは事実なので、そこ
おおもう10人申し込みが……。津田さんはこのイベントのため練習するらしいですよ! 伝説の夜になりそう。→ ゲンロン友の会第3回総会+カフェ開設1周年記念イベント 「そして研ぎ澄ましの彼方へ……」 http://ptix.co/1hb7OcJ
あけましておめでとうございますー!
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